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溺愛の虜囚姫 〜熱砂の王は氷を蕩かす〜

すずね凜 / 著
ことね壱花 / イラスト
ISBNコード 978-4-86457-269-9
サイズ 文庫
定価 671円(税込)
発売日 2015/11/16
レーベル ロイヤルキス
発売 ジュリアンパブリッシング

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内容紹介

私のものになると、誓ってくれ
大国ボルヘスの虜囚となったプリオネスの女王ロシータは、ボルヘス王に逆らって処刑を命じられるが、属国バルラの王クラウディオが戦功の褒美に彼女を望んだため彼に下げ渡されることになる。バルラに連れていかれ、純潔を散らされるロシータ。しかし凛々しく美しいクラウディオの夜ごとの愛撫に、みるみる官能を開かされ恥辱と愉悦に揺れてしまう。彼と暮らすうちにその優しさや聡明さに惹かれてしまい、思い惑うロシータだが、危険を冒し潜入してきた自国の忠臣に、脱出と蜂起を促されて!?
★初回限定★
特別SSペーパー封入!!

人物紹介

ロシータ

プリオネスの女王。
誇り高く機智に富んでいるが、恋愛には全く奥手。

クラウディオ

小国バルラの王。
知恵と勇気に溢れ、冷静沈着。内に秘める熱い情熱がある。

立ち読み

 「いや、見ないで……いやぁ……」
 どんどん全身の血が熱くなり、息がせわしなく上がってしまう。拒絶の言葉すら、何処かに媚態を含んでしまい、羞恥でめまいがしそうだ。
「ロシータ——」
 男の顏が乳房の間に埋められる。男のさらりとした黒髪の感触にすら、ぞくぞく背中が震えてしまう。彼の高い鼻梁が乳丘を撫で回すと、さらに乳首が固くなる。ふいに熱い口腔に乳首を含まれた。
「やぁっ、あ、あ、だめ、あ……」
 ぬるつく舌が凝った乳首を周囲を這い回り、ちゅうっと音を立てて吸い付いてきた。痺れるような甘い疼きが駆け抜け、ロシータは背中を仰け反らせて喘いだ。信じられないくらい気持ちが好かったのだ。
「んんぅ、あ、や、しないで……胸、舐めちゃ……やあぁ、ん……」
 強く吸われるたびに、甘やかな喜悦が生まれ、ロシータは艶かしい声を漏らして身震いする。ボルヘス王に触れられた時は、嫌悪と恐怖しか感じなかったのに、妖しい媚薬のせいだろうか、クラウディオの舌の動きが心地好くてたまらない。
「そんないたいけな声を出されては、もっと苛めたくなる」
 クラウディオは深いため息を漏らし、唇に挟んだ乳首を舌先で小刻みに弾く。
「っ、く、あ、だめ、だめ、しないで、ぁ、あ」
 次から次へ愉悦が襲い、ロシータは長椅子に背中を押し付けて身悶えた。乳首から生まれた快感は下腹部の奥へ走り、あらぬ部分が淫らに疼き焦れったい。
(これはなに? 私、すごく昂っている。身体中が恐ろしいくらい敏感になって、感じやすくなって——嘘よ、嫌なのに——嫌なはずなのに)
 頬を紅潮させせつなげに喘ぐロシータの表情を見つめながら、クラウディオは片手で器用にスカ——トを外していく。
「やっ、だめ、だめ……っ」
 一糸まとわぬ姿に剥かれていくのに、ロシータは頼りない声を上げることしか出来ない。熱う燃え上がった身体には力が入らない。あっという間に下腹部まで露わになり、ロシータは屈辱に唇を噛み締め、せめてもの抵抗に両脚をぎゅっと閉じ合わせた。顏を背け、彼を無視しようとするが、自分のあらぬ部分に刺さるように強い男の視線を感じ、肌が粟立ってしまう。
「美しい——君は何も装わなくても、女神のように美しい」
 クラウディオが感嘆したような声を出す。
「誰にも見せたことのない、君のすべてを見たい」
 男の手が太腿の狭間にかかるのを感じ、ロシータはなけなしの力を振り絞って身じろぎした。
「やめてっ……もう、お願い、いやぁっ」
 脚をばたばたさせ、触られまいとする。クラウディオがいったん動きを止め、苦笑まじりに言う。
「これは——驚くべき精神力だ。この媚薬を盛られて、まだ抵抗できるとは。本当に、君は征服のしがいがある」
 ロシータは涙目で懇願する。
「これ以上……許して……本当に怖いの」
 高潔な女王が見せるあどけない表情に、クラウディオはぐっと咽喉の奥を鳴らす。
「そんな可愛い顏をして——ロシータ、君はなんて——」
 彼は熱に浮かされたような表情で自分の部屋着の腰帯を解くと、それでロシータの両手首を括り長椅子の腕置きに縛り付けた。
「やっ……」
 拘束され屈辱のはずなのに、異様な興奮が全身に走る。不可解な期待に、心臓がどきどき跳ねる。それでも必死で自分を鼓舞し、ロシータは憎——しげに男を睨んだ。
「酷い、酷い、許さない……あなたを決して——」
「ののしるがいい——ロシータ、すぐにその口から、甘い懇願の台詞を引き出してみせる」
 クラウディオの顏も異様に昂っている。彼は両手で閉じ合わさった彼女の両脚を、難なく抉じ開けてしまう。これ以上ないくらい開脚させられ、ぱっくりと秘部が露わになった。
「いやあぁ、ああっ」
 引き裂くような悲鳴が部屋に響く。自分でも見たこともない恥ずかしい場所が、憎むべき男の眼前にまざまざと晒されたのだ。
「見ないで、お願い、いやぁ……っ」
 あまりの羞恥に気が遠くなる。ぎゅっと目を閉じてしまうが、男の視線が痛いほどに突き刺さるのがわかる。するとなぜか秘部がひくひく蠢いて、なにかがとろりと溢れてくる感覚がする。
「綺麗だ——朝咲きの淡い紅薔薇のようだ——私だけが知った、君の秘密の花園」
 クラウディオがまるで歌うような深みのある声で、恥ずかしい部分を描写する。そんな風に言って欲しくないのに、あらぬ部分がせつなくきゅうっと締まる。ふいに男の長い指が、無防備に開いた秘所をそろりとなぞった。
「きゃあっ」
 驚愕して腰がびくりと浮いた。
「しかも、この紅薔薇はもうたっぷり朝露にまみれている」
 男の指が、くちゅりと蜜口を掻き回した。湿り気帯びた淫猥な音が立った。その刹那、痺れるような快感が下肢に走り、ロシータは狼狽する。
「あ、あっ、あ、いやぁっ……」
 二本の指がしとどに濡れてほころんだ陰唇を、くちゅくちゅと撫で擦る。
「そら、どんどん蜜が溢れてきた」
 クラウディオは浅瀬からさらに隘路の中へ、ぐっと指を突き入れた。
「ひぅう、うぁあ」
 固い異物が侵入する感覚に、ロシータは息を呑む。
「やはり狭いな——だが、熱く締めつけてくる」
 長い指が膣腔の中で蠢くと、背中にぞくぞく悪寒が走る。汚辱の極みな行為をされているのに、蕩けそうなほど心地好い。それどころか、隘路がひくついて、もっと奥へと男の指を引き込もうとする。
(負けてはだめ——こんなになってしまうのは、媚薬のせいよ。こんな屈辱的なこと、許されない——のに……)

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