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一妻多夫の淫らな世界で2

うすいかつら / 著
北沢きょう / イラスト
定価 1,320円(税込)
発売日 2021/09/24

内容紹介

旦那様たちの溺愛は止まりません!?
異世界で5人の旦那様と結婚し、さらに2人と結婚が決まっているアコ。この世界の常識にのっとり積極的にセックスに励む中、ついに妊娠!? 初めての出産に戸惑うが、旦那様たちの溺愛はより一層深まって…。
家族のために尽くす騎士団長のグレイ、真面目で思いやりあふれる第一王子セブラン、その美貌で人々を跪かせる第二王子ミュラン、身も心も包容力抜群の近衛騎士ラシード、主夫となり魔法で家族を守るシャルカ、無邪気な弟キャラの第三王子ヨラン、庇護欲そそる第四王子レイラン――。
旦那様たちの新たな一面を知り、さらにときめく甘々淫蕩ダイアリー!

立ち読み

   ◆アコと緊張の日

「大丈夫だ、アコ。そんなに緊張することはないから」
 グレイが優しく抱き締めてくれる。
 それでも今夜を思うと震えが止まらない。この世界に来てから、これほど緊張する日があっただろうか。……あったか。結婚式の日も緊張したっけね……喉元すぎて、しばらく経ったから忘れそうになってた。ともあれ今日は、それに次ぐか超すかという緊張だ。
 わたしがこのお城の宝物庫に突然現れたのは、去年の夏のおそらく半ば。そして結婚は夏の終わりか秋の始めのことだった。ちょうど境目。そして、今は冬。
 今夜は領地にいる貴族たちも集まって、春待ちの宵の宴(うたげ)という夜会が開かれる。春を待つ宴なので、外はまだ冬景色だ。でも、もうじき春になるみたい。わたしはまだこの国に来て一年経ってないので、季節の変わり目がよくわかっていない。
 ともあれ、わたしは今夜初めて夜会というものに出席するので緊張しまくりなのだ……!
「アコ、こんなに体を硬くしていると、具合が悪くなりますよ」
 シャルカが背中を優しく撫でてくれる。
 わかってるけど、緊張はどうにもならない。二十一世紀の日(に)本(ほん)で育った二十三歳にとって、剣と魔法のファンタジーっぽい国の夜会なんてただでさえ未知の世界なのに、この国と日本の常識の違いはもう筆舌(ひつぜつ)に尽くし難いものがあるからね……。
 まさか小説で読んだような異世界転移が自分の身に起こるだなんて、このお城に来てしまうまで考えたこともなかった。
 この世界の神様は、行き場も仕事もなくしたわたしを助けるつもりで呼んだのかもなぁ……という気はしている。ただ、神様からわたしに直接その旨のお知らせはなかった。そこはちょっと不親切だ。あと、どうやらついでにこの世界も助けてくれということらしいのだけど、その旨のお知らせもなかった。どうやって世界を救うのか教えといてくれれば……うん、そこもちょっと不親切かも。
 だけど、言葉を習わなくても意思の疎通はできる自動翻訳機能はつけてくれた。自分の言葉がどうやって訳されているかよくわからないって欠点はあるものの、言葉が通じないよりはずっと助かる。
 あと日本にいた時より、淫乱でビッチなメンタルになっている。個人的に「淫乱ビッチチート」と呼んでいるそれは、この世界の女性には必要なものなので、わたしにも神様がくれたのだろうと思っている。
 だから多分わたしを呼んだ神様は、ここで生きていくのに必要なものはくれたんだろう。この地で無事に生きていけさえすれば、いずれ勝手に世界が救われるということなのかもしれない。
 世界を救うなんて大仰な話だけど、実際にそういう神託があったのだそうだ。わたしを含む十人の女が、この男性が四人に対し女性が一人しか生まれない人口比の偏(かたよ)った世界を救うために呼ばれたらしい。わたし以外は乳児か幼児という年齢だけど。
 他の女の子たちがどうなのかは本当のところ確認できてないんだけど、少なくともわたしは男女半々に生まれる世界からやってきた。だからわたしたちはこの世界で女の子をたくさん産んで、女の少ないこの世界を救うのではと思われている。
 それでわたしはこの国で、守ってくれる王子様たちと結婚したのだ。王子様たち……そう、「たち」だ。複数である。男性の方がはるかに人口が多いため、この国の結婚制度は平和主義の神様が唱えた一妻多夫制になっている。夫は二人以上からでないと結婚できず、どんどん増やしていくのが当たり前だ。
 わたしの夫は、現在五人。それほど遠くない将来には二人増えて、七人になる予定。
「アコ」
 シャルカに背中を抱かれながら、グレイとキスをする。そう、夫が複数いるのだから、複数でえっちするのが当たり前。
「まだ夜まで時間がありますからね。夜会のことは少し忘れていた方がいいでしょう」
 いつの間にか、隣までミュランが来ていた。
 ええと、それはすべてを忘れるためにえっちをしましょうってことでいいでしょうか……?
「そうだな。アコには初めての夜会なのだから緊張もするだろうが、長く緊張し続けるのは良くない」
 セブランの声がする。きっと扉のところにいる。
「寝台は整えてある。グレイ」
 扉の開く音がして、ラシードが呼んでいる。
 わたしの、五人の夫たち。
 この国は、隙間時間があったら夫とえっちをする国だ。もっと夫の人数が多いご家庭もたくさんあるので、せっせとえっちしないと回らないのかも? とも思うけど、うちは普通に絶倫な旦那様が多いだけのような気がする。草食系の旦那様でも、やっぱり一日一回はする。
「僕もいいよね」
 ヨラン君とは、十八歳になったら結婚することになっている。もう、えっちはしちゃってるけど。
「ぼくも見ていてもいい……?」
 未成年は夜会に出られないので、一人置いてきぼりになるレイラン殿下が、わたしに切々と訴えてくる。これにダメよと、わたしは言えない。
「大丈夫よ」
 日本の常識なら子どもにえっちを見せるなんて! となるだろうけど、そもそもここの本来の常識では参加する方が当たり前なのだ。レイラン殿下のえっち参加を拒むわたしの方が常識から外れている。
 でもレイラン殿下は、わたしの希望を受け入れて待っていてくれる。いずれ結婚する覚悟は決まっているんだから、もう見せるくらいはいいじゃない。仲間外れにして悲しい思いはさせたくない。
 ところで今日は夜会のためにみんな仕事もお休みだから、旦那様に加えてヨラン君とレイラン殿下もいて全員揃(そろ)っている。
 ……ちょっと、ねえ、夜会の前なのに大丈夫? わたしの体力が大丈夫……? それだけが、ちょっと心配なんだけど……!?
 グレイがわたしを抱きあげて、寝室へ向かう。ベッドの上に下ろされて、もう一度キス。今度は、ちょっと長い……。ふんわりとした濃いめの蜂蜜色の髪が、わたしの頬をくすぐる。唇が離れると、少し濃い翡(ひ)翠(すい)色の瞳が覗(のぞ)き込んでいる。
 グレイ・デュラニールはわたしの最初の夫だ。掛け値なしにイケメンの、このお城を守る王城騎士団の騎士団長。お父さんたちが先代女王様の兄弟だから、グレイは女王様の従弟(いとこ)にあたる。
 長いキスが終わったら、グレイは横にずれた。他の旦那様たちがベッドに乗ってくるのを邪魔しないためだ。
 後ろから来た腕に抱き締められる。この腕の筋肉の安定感はラシードだ。振り返れば、ほろ苦そうなチョコレート色の短い髪と同じ色の瞳がちらりと見えた。
 でも性格はほろ苦とは遠い、わたしを甘く優しく包み込んでくれる頼れる夫。ラシード・デュラニールはグレイのすぐ上のお兄さんだ。だけどグレイとは瞳の色も髪の色も違うし、体つきもがっしりしていて印象は本当に全然違う。近衛(このえ)騎士団に所属していて、今は王族と同じ扱いを受けているわたしの護衛をする騎士さんたちをまとめている。
 前に視線を戻せば、赤錆(あかさび)色のまっすぐな髪の間から、同じ色合いの瞳がわたしを見つめている。ベッドの前で跪(ひざまず)いて、わたしの靴を脱がしているのはシャルカ・レインマクセス。
 シャルカはもうお仕事は辞めちゃって今は主夫なんだけど、以前はグレイの副官だった。グレイより背も高いし体つきもしっかりしているから、てっきり騎士だと思っていたら結構すごい魔法使いだったという意外性を持つ旦那様だ。確かに知的で、眼鏡とかかけたら似合いそうではある。
 でも、別に目は悪くないので眼鏡はかけてない。かけたら似合いそうね、と言ったら通じたので、一応この世界にも眼鏡はあるらしいけど。
 横から来て、左の手を取ったのはセブランだ。指先を甘噛みされて、ぞくりとする。
 セブランは、この国の第一王子。顔立ちはグレイとよく似ていて、髪や瞳の色合いもグレイの色を淡く明るくした感じ。二人並んだら、どう見ても兄弟にしか見えない。でも実際は、従叔父(いとこおじ)と従甥(いとこおい)の関係になる。親戚ではあるけど、そんなに近くはないんだよね。
 この国は女王制なので王子様に王位継承権はない。だけど、セブランはこの国や女王様のことをいつも真面目に考えている。頭が固いとか融通が利かないと言われることもあるけど、本当に真面目で、頑張り屋で、わたしにとってはかけがえのない癒し系の夫だ。
 セブランの方を見ていたら膝頭を齧(かじ)られて、びくっとする。そっちを見たら、ミュランがわたしの膝を甘噛みしてる……。
 そのまま薄曇りの空のような瞳で、ちらっとわたしの方を見たのは悪戯(いたずら)心なんだろうか。わたしの注意を引くために齧ったんだろうか。足にかかるミルク色にも近い極々淡い金の髪は、柔らかすぎて、くすぐったすぎる。
 第二王子ミュランは、傾国の美少年だ。いや、初めて会った時と比べるとだんだん少年ぽさが抜けてきたというか、ちょっと男らしく感じるようになったので、今は傾国の美青年って感じだ。見た目は中性的な美貌で、変わらないと思うのだけど。
 初めて会った頃は十代だったけど、二十歳になったからだろうか。わたしの夫たちはみんなそれぞれの方面で見目麗しいけど、ミュランは桁(けた)外れだと思う。綺麗すぎて、苦労してきたらしい。
 ガタガタと音がして、そちらに視線を向けたら、鮮やかで綺麗な金髪がひょこひょこ動いていた。あれはヨラン君の髪だ。見学のレイラン殿下のために、椅子を用意してたみたい。面倒見良くて、優しいんだよね……それは、間違いない。でもヨラン君は、元気が良すぎるというかなんというか。
 ヨラン君は第三王子で、セブランとミュランの弟だ。でもわたしにとっては、グレイの弟子という印象の方が強い。最初に会った時がその姿だったから。
 椅子を置いたヨラン君が振り返ると、目が合って、明るい群青色の瞳が喜色に染まって駆けてくる。そのまま胸に飛び込んできた。
「アコ!」
「きゃ」
 動きからもう、ワンコ系だ。容姿は正統派美少年なんだけど。
 ヨラン君はなんだかんだできる子だし、可愛いんだけど、振り回される。ラシードが支えてくれてたから倒れなかったけど、勢いつけて飛び込んできたから二人に挟まれて、ちょっと苦しかった。
「おまえ、勢いつけすぎ」
 グレイがヨラン君の首根っこを掴(つか)んで、引き剥(は)がしてくれる。ヨラン君の手綱を握ってるのは、やっぱりグレイだ。
「ああ~、アコ~」
「兄上」
 レイラン殿下が琥(こ)珀(はく)色の髪を揺らして、笑ってる。レイラン殿下は第四王子で、優しくて、おとなしくて賢い、いい子だ。もちろん美少年だ。まだまだ少年なので結婚の日は遠いが、彼が心変わりしなかったら結婚するつもりはある。
 笑ってくれて、よかった。成人年齢が、男十五歳、女十四歳と低めのこの国でも、まだ十二歳のレイラン殿下は未成年で今日の夜会には行けないから落ち込んでたんだよね……。
 でも、十二歳でも結婚できるというこの国においてさえ「未成年禁止」とされる場所ならば、それはおそらく魔境だ。どんなに悲しまれようとも置いていかなくてはならない戦いがある……いや、夜会なんだけど。
「は……」
 ぼんやり旦那様たちを眺めている間に、もう既に服は脱がされて裸だ。
 舐められて、齧られて、もう早くきて……という気持ちでいっぱいになっている。でもまだ準備が残っている。
「兄上、先でいいですよ」
 ここには「兄上」がたくさんいるけど、この兄上はラシードを指す。まだヨラン君を捕まえているグレイは、先をラシードに譲るみたい。
「そうか」
 お腹に回っていた腕が、するりと足に伸びる。
「あ」
 後ろから足を持たれて、持ち上げられて、大きく開かれる……この格好は、まだ恥ずかしい。
「綺麗にしましょうね」
 ミュランが、いつの間にか用意されていた道具をお尻にあてがった。それがぐぐっと入ってくる。
「ん……!」
 これはお尻を綺麗にする道具で、いつもされてることなんだけど、入ってくる時は未だに少し苦しい。細いでこぼこのついた棒がお尻に入ってきて、中を綺麗にしながら太くなっていく……。
「あ、あ……」
 苦しい、けど、ぞくぞくする。それだけで、もう気持ちよくなっちゃう。
 そう。ここの、この国の、えっちの正常位は二穴責め……二人の旦那様に前の穴と後ろの穴を同時に愛されることが正当なヤり方だ。その前にお尻を綺麗にする習慣があるだけいいけれど、綺麗にするだけでもイっちゃいそうになるのが困る。
「あ、あっ!」
「もういいですね」
「あ――……!」
 引き抜かれる時には洗浄の魔導具の棒は太くなっていて、お尻で旦那様たちを受け入れられるように穴を広げている……。
「いくぞ」
 ラシードの低い声の囁(ささや)きにも、ぞくぞくする。そのまま、ラシードの上に下ろされる……。
「あう……!」
 後ろに、ラシードのが入ってきて……前は。
「私は、夜のために今はやめておこう」
「残念ですが、私もそうしましょうか」
 セブランと、ミュランは見送りのようだ。体力的な問題であまり回数ができないことを、二人はよく残念がっている。でもわたしにとっては旦那様たち全員が絶倫だと大変なことになるので、助かってもいる。
「では、私がいきましょうか」
 前は、シャルカ……? ああ、グレイがまだヨラン君を捕まえてるから。
 シャルカが覆いかぶさるように、前に入ってくる。
 そして、前と後ろから揺さぶられて……。
「あっ、あっ……」
 何も考えられなくなる……。
 夜のことも、なにも、かも……。
「あ――……!」
 頭が真っ白になって、気がついたら横になっていた。グレイがわたしを覗き込んで、指で髪を梳(す)いている。
「アコ、このままちょっと寝るか?」
 気を失ったというよりは、イって終わって寝ちゃったんだろうと思う。ラシードとシャルカはもう離れて……グレイの後ろからわたしの方を見てる。
「……ううん、大丈夫」
 グレイの頬に手を伸ばして答えたら、横からヨラン君の声がした。
「やった!」
 そうか、セブランとミュランが見送りなら、グレイともう一人はヨラン君だ。
「こら、アコの体調が優先だ。なんだか疲れてそうだからな」
「だって僕、昼間だけなんだもの」
 そうだよね。ヨラン君はまだ夫じゃないから、夜の寝室には入れない。
「いいよ、しよ。緊張しすぎで疲れてたんじゃないかな」
「ありがとう、アコ!」
 よいしょっと起きようとしたら、笑顔のヨラン君が支えて起こしてくれた。
「無理することないんだぞ」
「平気」
 頬を撫でるグレイの手に、自分から頬ずりする。外に出ないわたしは実は見たことがないんだけど、グレイも剣を持って訓練するからか手のひらが硬い。でも、このざらっとした感じが好きだ。
 グレイと抱き合いたいなあ……と思って、自分から抱きつきにいく。
「じゃあ、少しだけな」
「ん……」
 グレイに持ち上げられて、グレイが入ってきて、グレイにぎゅっとしがみつく。
「もう、僕そっちのけで始めちゃうんだから」
 背中に貼りついたヨラン君に、ちょっと笑う。まだ余裕がある。
「あ、あっ」
 だけどヨラン君がお尻に入ってきたら、奥まで突かれて……。
「ふ、ぁっ」
 後ろから揺さぶられて、グレイに更にしがみついた。
「ヨラン君……っ」
「気持ち、よくない?」
 気持ち、いい……!
「アコ……俺もいいよ、すごい……」
 見上げると、グレイも気持ちよさそうで、嬉しくなる。そのまま、キスをねだるように伸びあがる。
 グレイに支えられて、キスして……そのままわたしは蕩(とろ)けていった。


   ◆アコと初めての夜会

「皆の者、この春待ちの宵によくぞ集まってくれた」
 ホールの階段の上から、黄金の髪を華麗に結い上げた女王様が優雅に下りてくる。
 さて、昼間に旦那様たちとえっちを始めてしまって、お風呂に入ってなんだかんだで支度が時間ギリギリになってしまったけど夜会には間に合いました……。緊張はなくなったりはしなかったけど、開始時間までバタバタしたおかげで始まるまでは忘れていられた。
 この国の女王様は亡くなられたお子さんを含めると十人以上の子を産んでいるけど、そうは思えないような妖艶な美女だ。長男のセブランが二十歳を超えているし、確かにアラフォーのはずだけど、とてもそうは見えない。
 この国の正式なドレス――パンツ丸見えドレスは、足丸見えドレスでもある。わたしには辛(つら)すぎるこのドレスも、女王様の足なら大丈夫かもと思わせる脚線美。
「今宵の宴は我が国に神より遣わされし救世の乙女の、披露目でもある」
 そこで女王様は、ばさっとドレスを翻(ひるがえ)した。
 マントみたいに翻るんだ、パンツ丸見えドレス。
 チラッと自分のドレスを見る。多分、わたしのは翻らない。ぎりぎり見えにくいように、わたしのために旦那様たちが縫ってくれたドレスだからだ。
 女王様のばっさーっと翻るのもかっこいいような、でも完全に丸見えになって見ている方が恥ずかしいような……いや、恥ずかしいと思っているのはわたし一人か。周りの人は普通に見ているか、うっとりしている。
 ここはゴルデアンビルグのお城の、多分最も広い大広間。
 とうとう、夜会が始まる……!


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