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9784866693408

異世界で恋をしましたが、相手は竜人で、しかも思い人がいるようです2

月神サキ / 著
ウエハラ蜂 / イラスト
ISBNコード 9784-8-6669-340-8
本体価格 本体1,200円+税
発売日 2020/10/27
ジャンル フェアリーキスピンク

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内容紹介

《竜人はどんな時も、愛しいつがいを手放しませんよ?》
人間界で宝探しをするうち、Sランク冒険者としてチート級の強さを発揮!? 新婚ほやほやな竜人の番が無双する、ファンタジック・ラブコメディ!
竜園国の失われた国宝《竜王の魂》を探しに人間界へ行くことになったソラリスと夫のウェルベック。魔獣ハンターに身を隠し、チート級の強さで宝探しをするうち凄腕のSランク冒険者となり、武名を轟かすことに! その上銀髪で端整な美貌を誇るウェルベックに王女様が一目惚れ。彼女が持つ国宝の指輪が宝珠ではないかと怪しむ二人は、王女の護衛と女官として仕えるが……。何かと夫に絡む王女に、新婚まっただ中のソラリスはヤキモキして!?
「私が彼女に惹かれると、本気で思いましたか? あなた以外の女性に興味なんてありませんよ」

立ち読み

「それで? そちらの状況はどうです?」
 さっそくとばかりに尋ねてきたウェルベックに少しだけ口を尖らせた。
 久しぶりに会ったというのに、いきなり本題に入られたのが気に入らなかったのだ。
 私としてはもう少し、甘い雰囲気を楽しみたかった。
「ウェルベックの馬鹿。少しくらいデート気分を味わえるかと思って楽しみにしていたのに」
 正直に告げ、彼を睨む。
 ウェルベックから連絡があったのは今日の午後だった。それからずっと、久しぶりに彼とゆっくり話せる時間を楽しみに勤務に励んでいたから、私が文句を言うのも仕方ないだろう。
 もちろん、情報交換がメインだということは分かっていたけれど、大好きな夫に会えるのだ。少しくらい期待したっていいではないか。
 ムスッとした私をウェルベックが愛おしそうな目で見つめてくる。
「すみません。でもそういう風に言ってもらえて嬉しいですよ。私としては面倒な話を先に済ませて、残りの時間をゆっくり過ごせればと考えていたんです。説明不足でしたね」
「えっ、そうだったの……ごめんなさい」
「いいえ。あなたの可愛いふくれっ面が拝めましたからね。構いませんよ」
「ふくれっ面なんてしていないわ」
「していましたよ。とても可愛らしかったです」
 クスクスと笑い、ウェルベックが私の頰をツンツンと突く。甘やかすような仕草だ。
 久々の甘いやり取りが嬉しかった。優しく頰に触れられ、幸せがじんと身体中に広がっていく。
 彼の手を自分から握ると、彼は互いの手を絡ませるような繫ぎ方に変えてきた。
「こちらの方がよくないですか?」
「そうね。私もこっちの方が好きだわ」
「良かった」
 彼を見ると目が合った。自然と唇を合わせる。
「もう……先に話をするんじゃなかったの?」
「そのつもりだったのですが、あなたの唇を前にした途端、他の全てがどうでもよくなりまして」
 しれっと答えるウェルベックに、思わず笑ってしまう。
「――では、ソラリスの方の報告を聞きましょうか。でなければ本題そっちのけで、もっとあなたに触れたくなってしまう」
 冗談めかして告げられた言葉だったが、彼の目は怖いほど真剣だった。
 その台詞を嬉しく思いながら私も正直に頷く。
「ええ、そうね。あなたの言う通りだわ。確かにしなければならない話を先に済ませておいた方がいいわね」
 でないと、いつまで経っても本題に入れない。
 気持ちの中では彼と触れ合いたい、イチャイチャしたいのが一番だが、使命も忘れてはいけないのだ。
 私たちはそのために地上に降りてきたのだから。
 姿勢を正し、気持ちを引き締めながら口を開く。
「こちらでは特に指輪の情報らしきものは得られなかったわ。せめてどこにしまっているかくらい調べられればと思ったのだけれど、難しいわね。知っていそうな人に聞いてみるにしても、どうして聞きたいのかと尋ねられたら答えられないもの。ミリア辺りは知っているかもしれないけれど、彼女は口を割らないと思うわ」
「私も似たような感じですね。王女が話題を振ってくれれば楽なのですが、やはり国宝ですからね。そう簡単にはいきません。大人しく式典当日を待つのがよさそうです」
「そうよね」
 ふたりほぼ同時に溜息を吐く。
 そうだろうなとは思っていたが、やはりウェルベックも駄目だったみたいだ。
「……ウェルベックなんて、あんなに王女に気に入られているのにね。意外と簡単に情報を得ているかもって実は少しだけ思っていたわ」
「そう甘くはありません。あの方は愚かではないので」
「……ふうん」
 その言い方が、妙にカチンときた。
 ウェルベックが王女を褒めるようなことを言ったのが何故かとんでもなく許せないという気持ちになったのだ。
 思ったよりも低い声が出る。
 ウェルベックが目を丸くして私を見てきた。
「ソラリス?」
「そうね、確かに愚かな方ではないと私も思うわ。さすが大国の姫。甘やかされているわりに、きちんと育てられていると思う。立派よね。……ただちょっと、人の男にちょっかいをかけようとしてくる常識のない人だとは思うけど」
 棘のある、嫌な言葉だと自分でも分かっていた。だけど止められなかった。
 ここのところずっとウェルベックを独り占めする彼女を見て、私も大概我慢の限界がきていたのだ。
 それを思い出せば、優しい気持ちになどなれるはずがない。
 私はブチブチと文句を言い続けた。
「ウェルベックは私のなのに。そりゃあ、あなたが今、彼女の護衛だってことは分かっているわ。でも! 私はあなたの妻なのよ。その妻の目の前で彼女は……」
 言葉にすると、更に怒りが湧き上がってきた。
 今までに彼女が何度ウェルベックに粉をかけようとしたか、数えるのも馬鹿らしいほどだ。
 怒りに打ち震えていると、ウェルベックが私の顔を覗き込み、優しい声で宥めてきた。
「落ち着いて下さい。私はあなただけを愛していますよ。知っているでしょう? 王女なんて相手にするはずがありません」
「分かっているわ。だけど気分が悪いの。私のウェルベックにそういう意図を持って近づくというのがもう許せないのよ……!」
 私がウェルベックに片想いしていた歴はとても長い。
 子供の頃からずっと、百年以上片想いを続け、ようやく実らせることのできた恋なのだ。
 当然、それだけの愛情をかけ続けてきたウェルベックに対する執着は強く、彼に色目を使われるだけでも許せない。
「私が何も言えないと思って……!」
 思い出すだけでも腹が立つ。
 思わず拳を握り締めていると、ウェルベックがクスクスと楽しげに笑い出した。
 私はこんなに怒っているというのに笑う彼が信じられない。
 ウェルベックを睨みつけると、彼は「すみません」と謝りつつも口を開いた。
「いえ、あなたが嫉妬してくれているのが嬉しくて……」
「ウェルベック!? 私は真剣なのよ?」
「分かっています。ええ、もちろん分かっていますとも」
 そう言いながらもウェルベックの笑いは止まらない。ついには肩を震わせて笑い始めた。その顔はとても嬉しそうだ。
 そしてその嬉しさが滲み出たような声で聞いてくる。
「ソラリスが嫌なら仕方ありません。明日にでもふたりで退職願を出しましょう。私は構いませんよ」
「え、何言ってるの。出さないわよ」
 そんなことをすれば、今まで我慢したことが無駄になってしまうではないか。
「大体、なんて言って退職するつもりなの。私はともかくウェルベックは気に入られているから絶対に引き留められるわよ?」
「妻に可愛く嫉妬されましたので、辞めますと正直に言います」
「止めてよ! 恥ずかしい!」
 想像して真っ赤になった。
 きっとウェルベックは真顔でそう告げるのだ。そして皆がポカンとしている中、平然と退出するのだろう。その姿が見えるようだ。
 だけどそれをされた日には私がすごく恥ずかしい思いをするし、王女にものすごく恨まれる気がする。
 ブンブンと首を横に振ると、ウェルベックは「そうですか? 私はそれもいいような気がしますけどね」と真面目に言ってきた。
 そうして私を抱き寄せ、甘い声で語り掛けてくる。
「ソラリス。私の愛しい人。ねえ、心配なんてしないで下さい。私はあなたを愛しています。私の唯一無二のつがいとして。あなたのためなら私はなんでもできます。あなたが望むのならどんなことでもしてみせましょう。だから、不安にならないで下さい。あなたの胸の中にある私の竜珠に誓って、あなた以外の人に興味なんて抱きませんから」
「……ウェルベックのことは信じてる。疑ってなんていないわ」
 竜人はこの人と一度定めれば、それを一生貫く種族だ。だから、浮気とかは心配していない。
 ただ、私が嫌なだけ。
「辞める必要なんてない。このまま続けましょう」
「いいのですか?」
 静かに尋ねてくるウェルベックに、私は頷いた。
「ええ。ここで辞めたら、せっかくの作戦が水の泡になってしまうもの。それに言い出しっぺは私よ。自分の言葉にくらい責任を持つわ」
 城に勤めることになった時、いい顔をしなかったウェルベックに、「互いに我慢しよう」と告げたのは私だ。
 それなのに、「やっぱり嫌だ」なんて口が裂けても言えない。
 あまりにも無責任ではないか。
「あと少しの辛抱。ちゃんと我慢するわ」
「……残念。辞めるのもひとつの選択かと思ったのですけどね」
 小さく笑うウェルベックだったが、彼も私がそんなことを望まないとは分かっていたのだろう。すぐに同意してくれた。
「分かりました。あなたがそれでいいと言うのでしたら、従いましょう。式典はもうすぐですしね。……ソラリス。あなたも人間の男に口説かれないで下さいよ。もしそんなことになれば、王女の護衛なんて無視して、あなたを攫いに行きますからね」
「私を口説く人なんていないわよ」
 笑い飛ばした。
 実際、既婚者と知られている私を口説くような男はいない。だが、ウェルベックは嫌そうな顔をする。
「……何を言っているんですか。あなたの胸元をいやらしい目で見ている男がどれくらいいるか、私が知らないとでも? 今は様子を窺っているだけのようですが、時間が経てば、きっと口説かれますよ。断言します」
「ええ?」
 胸、と言われ、確かに心当たりはあると思い直した。視線が鬱陶しいと思った記憶があったのだ。
 私はチビで童顔だが、胸はかなりの大きさがある。
 そのせいで日本にいた頃もよくジロジロと無遠慮な視線を向けられていたのだ。
「……気をつけるわ」
「ええ、そうして下さい。あなたに何かあれば、私が狂いますから」
 真顔で返され頷く。
 不謹慎かもしれないが、ウェルベックが心配してくれたのが嬉しかった。
「ソラリス? 何を笑っているんです?」
 喜びが表情に出ていたのだろう。ウェルベックが私を見咎めた。それに肩を竦めつつも謝る。
「ごめんなさい。あなたに心配してもらえたのが嬉しくて」
「心配するに決まっているでしょう。大切なつがいのことなのですから」
「そうね。ふふ……」
 ぶすっとした表情をするウェルベックが可愛いと思ってしまう。
 彼の頰に手を伸ばし、さらりと撫でる。髭のないツルツルとした肌は、女性も羨むレベルで美しい。
「愛してるわ。私の旦那様」
 目を細め、己の気持ちを告げると、ウェルベックは私の手首を摑んだ。自分の方に私を引き寄せる。
「んっ……」
 重ねられた唇から彼の熱が伝わってくる。愛されているのが分かる甘い口づけに、心が温かくなっていく。
「愛していますよ、私のソラリス。あなたの側にいることのできない今の状態が苦しくてたまりません」
「私も……。あと少し、頑張りましょう」
「ええ、分かっています。ですから少しだけ、あなたを補充させて下さい」
「補充って……? あ……」
 ウェルベックの舌が口内に押し入ってきた。
 分厚い舌が、繊細な動きで口腔を刺激する。舌先が歯の裏側をなぞり、背中がゾクリと粟立った。
「ふ……んぅ……」
 鼻から甘い息が零れる。上顎を擦られるのが擽られているようで心地よかった。
「ん……ん……」
 彼の行為に必死に応える。
 口づけをしたまま、ウェルベックが器用に私の身体を持ち上げ、己の膝の上に乗せた。向き合った体勢になる。私も協力し、彼の足の上に跨がるように座った。足を広げて座るなんてはしたないと分かっていたが気にしない。だって今は夫に触れたい気分なのだ。そう思った私は羞恥を放り投げ、彼の首に抱きついた。膝の上にいる分、距離が縮まりキスがしやすい。
 舌を思いきり絡ませ、唾液を啜り合うと頭の奥が痛いくらいに熱くなった。
「ウェルベック……」
 久しぶりに触れ合ったせいか、全然止まれる気がしなかった。
 ウェルベックの目に欲の火が灯る。
 彼の手が女官服を剝いでいく。白いブラウスのボタンを外されている時なんて、ものすごく興奮した。ブラウスを脱ぎ、着ていた下着を上にずらされると、乳房が露わになる。
 緊張か、それとも外気に触れたせいか、乳首は硬く尖っていた。
「久しぶりのあなたの肌だ……」
「あんっ……」
 ウェルベックの大きな手で乳房をやわやわと揉まれ、甘い声が出た。
 夫に触れられているのが死ぬほど嬉しかった。
 外だからとか、そういう当たり前の倫理観が消えていく。
 熱い掌が乳房を包み、硬くなった乳首を転がす。
「あっんっ」
 腹の奥がジンと疼き始める。トロリと愛液が溢れたのが感覚で分かった。
「あっ、あっ……ウェルベック……」
「はあ……ずっとあなたのその甘い声が聞きたかった……」



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