書籍詳細

ワガママは恋の罪【電子版】
定価 | 943円(税込) |
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発売日 | 2017/02/17 |
電子配信書店
内容紹介
人物紹介

榊 龍弥
製薬会社広告課勤務。優秀なサラリーマン。

カイト(八木沢櫂人)
芸能事務所VERTEXに所属する新人タレント。
立ち読み
「龍弥さん……」
カイトの声も掠れている。掠れて、男の艶を滲ませている。
「ダメ…だ……」
掴まれた腕に、ぐっと力を込める。けれどより以上に強い力で押さえ込まれて、ますます身動きが取れなくなってしまった。
カイトの唇が、顎から首筋を伝い落ち、胸元へと下っていく。
「や…め……、約…束……っ」
自分は本気になどしていなかったのに、カイトにだけ最初の約束の履行を求めるなんて卑怯だとわかっている。わかっていても、言わずにいられない。この状況で龍弥にできることなど、高が知れているのだ。
「ずるいよ。誤魔化してばかりなのに。本気で考えてくれる気なんてないくせに……っ」
「カ…イ、ト……?」
愛撫を落としていた胸元から顔を上げて、カイトが龍弥を睨む。
鈍いわけではない。
決して、愚鈍な子どもではない。
純真でまっすぐで、頭の回転も早く、見た目からは想像もつかないほどに繊細だ。
そんなカイトが気づかないわけがない。
「俺、がんばるから。絶対に皆が納得してくれる仕事をするから。もう、限界だよ!」
「カイト……!」
バッと、胸元をはだけられた。
露わになった白い肌に、カイトが貪りついてくる。
色づいた突起に唇を寄せられて、龍弥は甲高い声を上げて仰け反った。
「やぁ……っ」
その顕著な反応を確かめるように、先端をペロリと舐められる。
「……っ」
今度は唇を噛んでビクリと身体を反応させると、その苦悶の表情に煽られたのか、カイトはますます執拗にその場所を嬲りはじめた。
「すげぇ……敏感なんだ?」
そんな、殴り倒してやりたくなるような言葉を囁いてくる。
「バ…カ、な…に言…って……、んっ」
口に含まれているのとは逆側を指先に摘ままれて、龍弥は背を仰け反らせた。
自由になった片手を上げて、圧しかかる肩を叩く。けれど、拳に力が入らない。身体が、シーツに沈み込んでいる。
この程度で身体に震えがくるほど感じているなんて、自分の反応が信じられなかった。だというのに、こんな不埒を働いておきながら、子どもはくだらないことを確認してくる。
「ねぇ、気持ちいい? ここ、イイんだよな? 真っ赤になって……龍弥さんの肌も、桃色だ」
綺麗だ……と、放心したように呟いて、バカのひとつ覚えのように、その場所ばかり弄りつづける。
はじめジンジンと疼くようだった感覚が、やがて痛みを訴えはじめて、龍弥は胸の上で揺れる頭を拳で殴りつけた。
「痛ぇ」
不満げに睨み返してくるくせに、顔を上げない。
しかたなく、今度は髪を引っ張ると、その手を取られ、指と指を絡めるようにして握られて、そのまま再びシーツに押さえつけられてしまった。
身体の中心に熱が集まっているのがわかる。
これだけ密着しているのだ、カイトにもそれは伝わってしまっているだろう。その証拠に、カイトの昂ぶりがどんな状態にあるのか、龍弥にはわかっている。
硬いものが、擦りつけられる。
布越しの緩慢な刺激がもどかしくて、それが危うさを倍増させる。
「は…ぁ」
熱い吐息が、零れ落ちた。
唇を噛み締める間もなく。
カイトの手が太腿を這い、その付け根に辿り着く。
浴衣の合わせを割って入り込んできた図々しい手が、布越し、龍弥の昂ぶりに触れた。
「嬉しい。龍弥さんも感じてくれてるんだ?」
聞くにたえないセリフにカッとして、これ以上好きにされてなるものかと必死に身を捩るものの、力の差は歴然としている。
叫んで喚いて大暴れすればいいのだろうが、この期に及んでも、龍弥の大人のプライドが、それを邪魔していた。カイトの前でそんなみっともない姿を晒すなんて、冗談ではない。
「はな…せっ、カイト……っ」
「嫌だ。もっと触りたい。龍弥さんのイイ声、もっと聞きたい」
「こ…の、エロガキッ」
「あたりまえだろ。ヤりたい盛りなんだから」
「てめ……っ」
だったらヤらせてくれる女のところにでも行け!
と怒鳴りかけて、本当にそんなことをされても困ってしまうことに気づく。先のとおりマスコミは騒がしくなってしまって、火のないところに煙を立てられる危険性もある。しかし、だからといって、自分が若者の欲望を慰めてやらなくてはならない謂れなど、カケラもないはずだ。
「ダメ…だ……っ」
下着をかいくぐって侵入を果たした熱い手が、龍弥の欲望を握り込む。先端を親指の腹に擦られ、絶妙な力加減で扱かれて、たちまち先端から蜜が溢れ出した。
これだから、男ってやつは困る。誤魔化しが利かない。感じているのが、ひと目でわかってしまうのだから。
「カイト……手、放し…てっ」
「ダメだよ。俺、龍弥さんのイくとこ、見たい」
「バ…カッ」
あまりの羞恥に、罵る言葉すら出てこないではないか……!
「ね。俺のも触ってよ」
「な……っ」
手を取られ、カイトのソコへ導かれる。強引に握らされて、上からカイトの大きな手に固定されてしまった。
大きく割られた両脚の間にカイトの腰を挟み込み、欲望を刺激し合う。
相手は年下の高校生で、年上の自分が組み敷かれているのだ。正直、ありえない。
なのに、身体からグズグズと力が抜けていくのを感じて、そのありえない状態に、自分が流されはじめているのだと自覚した。
「ん、ん……っ」
こらえようとしても、声が溢れてしまう。
いっそキスで塞いでくれればいいのにと、思ってしまうほどに。
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