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運命のつがいは巡り逢う

義月粧子 / 著
小山田あみ / イラスト
ISBNコード 978-4-86669-531-0
サイズ 文庫本
ページ数 256ページ
定価 836円(税込)
発売日 2022/10/18

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内容紹介

やっとわかった俺の運命のつがいだ
特別なオメガの佑月は『必ず高級アルファを産むことが出来る』という躰の秘密を隠して生きてきた。学生の頃、アルファのふりをして、片恋のまま肌を重ねていた同級生の本宮にだけは、オメガと知られたくなくて逃げ出したはずが、8年後、再会してしまう。避けても、常に目の前に現れる本宮。制御できない発情は、甘い匂いで二人を翻弄する。本宮から押し倒され、佑月は激しいセックスを受け入れるしかなくて……。エリートαと特別な秘密のΩの、一途な想いが番へと導く再会愛!
★初回限定★
特別SSペーパー封入!!

人物紹介

来栖佑月(くるす ゆづき)

見た目は典型的なアルファでありながら、生殖機能を持つ特別なオメガ。本宮との再会に戸惑う。

本宮嗣敏(もとみや つぐとし)

ααタイプのアルファ。来栖と高二の時同じクラス。仕事先で再会する。

立ち読み

 某国際センターの建物の前で、本宮嗣敏を乗せたタクシーは止まった。
 外観は明治から大正にかけての洋館といった石造りの古めかしい建設物で、重要文化財としての指定を受けていてもおかしくなさそうに見える。そのせいかなかなかに入りづらそうで、人の出入りもあまりない。
「ここ、外務省あたりの外郭団体?」
 車を降りると、何気なく秘書に聞く。
「いえ、政府機関ではないはずです。確か、いくつかの大学が共同出資しているとか」
 秘書は答えると、本宮のために玄関ドアを開けた。
 受付の職員は、本宮が入ってくるなりその強いオーラに圧倒された。
 見上げるほどの長身に見栄えのする容姿。いかにもααタイプのアルファといった威圧感だが、捉えどころのない笑みがそれを中和させる。
「三時にお約束しているEXCです」
「あ、はい。お聞きしております」
 職員は慌てて入構証を発行すると、二人を案内する。
 廊下の先は別館に続いていて、やや殺風景な機能重視の今どきのオフィスビルになっている。四階にある目的の部屋まで移動する途中、すれ違った職員たちは皆一様にラフな服装で、中にはよれよれのTシャツにサンダル履きという者もいて、ビジネススーツの本宮たちが悪目立ちしてしまう。
 職員がドアをノックすると、外から声をかけた。
「…EXCの方がいらしてます」
「はい、どうぞ」
 職員がドアを開けると、返事をした男性が上着に袖をとおしているところだった。
 中に入ろうとした本宮は、一瞬足を止めた。
 冷たく澄んだ空気を放つ、ちょっとないほどの美形の男性が、ジャケットのボタンを片手で留めながら、眼鏡越しに本宮に視線をくれた。
 切れ長の美しい眸からは何の感情も読み取れない。真っ直ぐの黒髪が額にかかって、それが陶器のように滑らかで白い肌をより引き立てる。
 どちらかというと華奢なすらりとした長身で、どこも崩すことなくスリーピースのスーツをきっちりと着こなしている。
「…どうぞお入りください」
 その声に本宮は我に返った。
「失礼します」
「この件を担当させていただきます、来栖です」
 すかした表情で一礼すると、本宮たちに椅子を勧める。
 本宮は、もう一度改めて正面から来栖を見た。
「EXCの本宮です。今日は副所長の林先生にお会いできると…」
「本日は林は同席致しません」
「…は?」
「ご依頼はゲーム脚本の監修と伺っております」
「そうです。それを林先生にお願いしたくて」
 来栖は、部屋に設置されているウォーターサーバーから紙コップに雑に水を入れると、来客の前に置いた。
「どうぞ」
 個人秘書はいない上に、事務員がわざわざお茶出しをするシステムではないということのようだ。
「ありがとうございます」
 本宮の秘書だけが礼を云う。
「担当は、詳細をお伺いした上でこちらで決めさせていただいております」
「いや、我々は林先生に直接お願いするために…」
「ここではすべて事務局が窓口となります。ご依頼を詳細に判断して、適任となる専門家を紹介いたします」
 淡々とした冷静な口調で返すと、立ったままの二人に目で着席を促す。
 本宮の目からはとっくに微笑は消えていて、それでもとりあえずソファに座った。
「改めまして、事務局長の来栖です」
 名刺を二枚テーブルに置くと、爪先まで綺麗に整えられた指ですっと滑らせた。
 型通りの名刺交換の儀式をあっさりと無視されて、秘書の尾野は両手で自分の名刺を握ったまま困惑している。
「では早速要件に入らせていただきます」
 尾野は仕方なくテーブルの来栖に近い位置に名刺を置くと、ちらりと本宮を見た。
 本宮は自分の名刺を出す気配すらなく、脚まで組んでいる。副所長と話せるはずだったのに当てが外れて怒っているのだろうと思ったが、アポをとった自分が後で文句を云われやしないかと尾野は内心眉を寄せてしまう。
「その前に。林副所長に担当してもらえるんでしょうね」
「林が適任だと判断すればそうなります」
「その判断は誰が?」
「私です」
 来栖の眼鏡が照明に反射して、きらりと光った。
 本宮は明らかに不満そうで、隣に座る秘書をちらりと見た。
「尾野、そんな説明は受けているか」
「え、あの…、A出版の和田編集長を介して林先生に面談をお願いしたところ、林先生からこちらでアポをとるようにと」
「それはつまり、林が事務局に判断を委ねたということになります」
「え……」
 尾野は慌ててメールを見直すべく、スマホ画面に見入る。それを尻目に来栖は続けた。
「…ここへのアポはすべて私が処理します。個人的に林との面会を希望されるなら、別のルートをとってください」
「別のルートとは?」
 本宮が不満そうに聞く。
「さあ、私は存じ上げません。和田編集長とやらにお聞きになれば?」
 木で鼻を括ったような返答に、本宮の眉はますます寄った。が、来栖はそんなことは気にもかけない。
「こちらでは、ご依頼内容により相応しい専門家を担当にさせていただいておりますし、研究者たちもその方向性を支持しています。林に限らず、ここの研究者は互いの専門領域を最大限に尊重します。それにご不満でしたらよそをあたってください」
 本宮のような要望には慣れているのか、来栖の態度はにべもない。
「メールでも予めそのことはお断りしているはずですが」
「…そ、それは…、A出版の和田編集長からのご紹介ということで、別枠だと」
 僅かに本宮の眉が寄った。秘書の判断が甘かったことに気づいたのだろう。
「別枠など存在しません」
 静かに返すと、来栖は本宮の返答を待った。
「わかりました。どうやら思い違いをしていたようです」
「そのようですね。続けますか、それとも出直されますか?」
 来栖は淡々と返す。が、本宮には彼が断ってほしそうに見えてしまって、敢えて云った。
「続けてください」
 来栖の目が一瞬だけ揺らぐ。が、それは眼鏡に遮られて本宮には判別できない。
 来栖は小さく頷くと、立ち上がって自分のデスクに向かった。
「…担当が決まってからの取り消しはキャンセル料が発生しますのでご注意ください。分析結果等の責任は、個人ではなくセンターが負うことになります」
 そう云いながら、書類を手にして戻ってきた。
「先ずこちらをお読みいただいてサインをお願いします」
「今、ここで?」
「持ち帰っていただいてもかまいませんが、署名をいただいてからでないと依頼はスタートしません。再度アポを取っていただくことになります」
「再度…? それは面倒だな」
 本宮の眉が露骨に寄ったが、仕方なさそうに書類に目を走らせる。
「まあ、これなら…」
 サインをしようと尾野にペンを要求する。尾野が慌ててペンを探すが見つからないようだ。
 それを見た来栖が、黙って自分のペンをテーブルに置いた。
「…どうも」
 サインを終えた書類を確認して、来栖はクリアファイルに綴じた。
「それでは、早速本件に入らせていただきます」
「よろしくお願いします」
 尾野が頭を下げただけで、本宮は黙ったままだ。
「中東地域を舞台にしたゲームの監修とのことですが、時代考証のチェックや訴訟に対応できるようにという方向性ですか?」
「そうですね。もちろん宗教面にも配慮して…」
「配慮、ですか。該当の地域を支配している宗教が徹底した不寛容であることは踏まえておられますか」
「まあ、多少は…」
「不寛容な宗教に配慮するということは、基準を相手に委ねることになりますが」
「そこは常識の範囲で…」
「その常識の基準は、西洋社会に於ける常識ですか?」
 来栖の質問に、本宮は顔をしかめる。
「そりゃそうでしょう」
「それでは当事者は配慮とは受け取りません。それによって起こり得る不利益をよく考えないといけません」
「それはもちろん。ただ表現方法を変える必要があるなら、そのアドバイスには説得力が必要になる。なのでこちらに依頼したわけです」
「説得力とは…?」
「研究者は、論理的な方法で説得できると思ってるんでしょうけど、そんな簡単じゃない。理論より感性重視のクリエイターには通じないことがままある。そういうときに研究者の肩書やら実績やらはけっこう重要になる。クリエイターって案外権威主義だったりするんでね。自分の論理構築や思考力を過信してないからという見方もできるが、世の中ってわりとそういうもんでしょ。自分がわからない世界では、なんだかんだで世間的な評価を信じてる」
「…私どもは依頼人を説得したりはしません。プロの視点からアドバイスするだけです」
 来栖は素っ気なく返す。
「ですが、そちらのご希望はお聞きしておきます」
 さらりと流して、他にも気になる点を確認して書き留めていく。
「…ざっとお聞きした範囲では、実績がありそれなりのポジションにいる研究者より、ゲームの世界に明るい若い研究者の方が適任だと思うのですが、それでも前者を希望されると?」
 それまで不満そうだった本宮の表情がちょっと変わる。
「ええ、そうです」
「わかりました。ではその方向で調整させていただきます」
 ビジネスライクに返すと、時計を確認する。
「…明日にはお返事させていただけるかと」
 来栖がそう云うと、尾野は立ち上がって深々と頭を下げた。
「それは助かります。ありがとうございます。よろしくお願いします」
 来栖も立ち上がって、ドアを開けた。
「尾野、車呼んでおいてくれ」
 ドアの前まで来て、本宮は尾野にそう告げる。
「あ、はい」
 尾野が急いで部屋を出ていくのを見送って、本宮は来栖を振り返った。
「ちょっと、いい?」
「何か?」
「…あんた、俺のこと憶えてない?」
 探るような目で来栖を見た。
 来栖の目が眼鏡の奥で緊張する。が、それは眼鏡に遮られて本宮には気取られることはなかった。
「…憶えてないとは?」
 落ち着いた声で返すと、うっすらと笑った。自分のことを憶えていない奴がいるはずがないと思っているくせに。
「それは高二のときに同じクラスだったこと?」
 しれっと返す。それを受けて、本宮の目が見開かれた。
「憶えてたのかよ」
「そりゃ、仕事だから依頼主のチェックくらいする。ネットで検索する程度だが」
 本宮に合わせてタメ語に切り替える。
「憶えてて、よくもまあしらじらしい…」
「しらじらしい? まさか歓喜の再会なんてのを期待したわけでもないだろうに」
「…相変わらずスカしてんなあ。まあ、ヤリ逃げしといて気まずいのはわかるけど」
「ヤり逃げ…?」
 来栖は自分の耳を疑った。
 ヤったのはそっちだろうと云いたいが、オフィスでそんなこと云えるわけがない。そもそもなぜ本宮が被害者ポジションになってるんだか。
「ヤるだけやって海外留学って、そういうことだろ?」
 来栖は返す言葉を失った。
 いったいどういう事実認識なんだ。呆れて二の句が継げない来栖の反応を勝手に肯定と受け取ったのか、本宮はポケットからさっき渡さなかった名刺を取り出して、来栖の胸ポケットに入れた。
「…近いうちにメシでもどうよ?」
 企むような目で流し見る。
 まずい…、この目だ。本宮はこんなふうに近づいて、そして容易く相手を手に入れる。来栖もかつてそんな彼に囚われた一人だったのだ。
 来栖は殊更ゆっくりと彼から視線を外す。こういうときは下手に反応しないことだ。
「相変わらずスカしてんな」
 おもしろがるように返すと、かかってきた電話をとる。
「…ああ、今下りる」
 本宮は振り返ることなく、廊下に出た。

 来栖はそっとドアを閉めると、靴音が遠ざかるのを確認して、小さく息を吐いた。
「何がメシだ…」
 眼鏡をとってデスクに置く。
 何とかいつもどおりにいられたことに僅かに安堵する。眼鏡をかけてなければ、動揺したのを見抜かれていたかもしれない。
 あれから、八年たつのか。
 本宮が自分を憶えていたことをどこかで嬉しく思っている自分がいて、憂鬱な気分になる。
 危惧したとおり、自分は今でも彼に囚われている。それを認めざるを得ない。



 八年前のあの日も、先に声をかけてきたのは本宮だった。
 名門私立の大鵬学園で、本宮は華やかな目立つグループの真ん中に当たり前のようにいて、人を寄せ付けないほど整った容姿を人好きのする笑みで押し隠している。そうすることで必要以上に敵を作らない、人の上の立つ人間が身に付けた処世術だ。
 一方で、来栖佑月は孤高の人物のように思われていた。
 透けるような白い肌、印象的な切れ長の眸。すべての感情を取り払ったかのような表情は、凛とした拒絶すら窺える。
 実際に、佑月は同級生の誰とも親しい付き合いをすることはなかった。必要最低限の会話以外で彼が雑談に参加することはない。
 親族が大企業の社長だとか大臣の孫やら、世界的な音楽家や第一線で活躍する芸能人の子弟も多く通う大鵬学園の中では、二人の背景は突出するほど特別ではないものの、本人たちの存在感は他を圧倒していた。それは中等部のころからそんな感じだった。
 それだけに、その二人が同じクラスになったことで、周囲はざわついて、担任教師すら緊張していたほどだ。
 それでも、そのうちに皆そんな光景に慣れてきたときのことだ。
 昼休みに図書館に向かおうとする佑月は、数人の女子生徒に声をかけられた。
「来栖くん、ちょっといい?」
 控えめに云ってもなかなかの美少女揃い。中でも真ん中の女子は、印象的な大きな瞳のとびきりの美少女だ。著名な女優の愛娘で、今どきの十代女子が憧れる顔の上位にランクインする、目下美少女モデルとして売り出し中のリリカだ。
 佑月が足を止めると、女子たちは辺りを見回した。中庭を横切る廊下には自分たち以外に人影はない。
「リリカが、来栖くんと付き合いたいって」
「ちょ、あっちゃん、ストレートすぎ」
「云い方!」
 一緒にいる女子たちが場を和ませるように突っ込むが、佑月は顔色ひとつ変えない。
 リリカって誰? ていうか、なんで自分で云わない? という疑問が佑月に浮かばないでもなかったが、彼が発した言葉は素っ気なかった。
「あー、ごめん。好きな人、いるんで」
「え……」
「そういうことで」
 佑月が行きかけるのを、最初に声をかけたあっちゃんとやらが慌てて引き留めた。
「待ってよ。好きな人って誰? 同じ学校の子?」
「は?」
「そのくらい聞く権利はあるでしょ?」
 佑月の眉がすっと寄った。
「いや、そんな権利ないでしょ」
 ばっさりと斬って捨てられて、女子たちは茫然としている。
「ひ、ひどい…」
 これまでこういう扱いを受けたことがなかったのか、やっと返した言葉がそれだった。
「きっつー」
「他に云い方あるよね」
「ちょっと顔がいいからって…」
 なぜか責められて、佑月は呆れたように溜め息をつく。
「え、なに? 感じわるー」
 あっちゃんが尚も云い募ろうとするのを、リリカが制した。
「あっちゃん、やめて」
 リリカが大きな目から涙を溢れさせて、小さく首を振る。
「リリカ…」
「みんな、ごめん。ほんとにごめんね…」
 うるうるした目で佑月を見る。
 あーなるほどと、佑月は思った。こんな目で見つめられたら、たいていの男子は慰めたくなるだろう。そういう自分の魅力を充分わかっているのだ。
「えー、リリカが謝ることないよ」
「そうだよ。だいたい来栖が…」
 その言葉を遮るように、中庭の芝生に寝転がっていた男子生徒が立ち上がった。
「ちょ…。誰…」
「え、本宮くん……」
 本宮はおもしろそうな目で彼女たちを見た。
「なに? 揉め事?」
 ポケットに手を突っ込んで、長い脚で垣根を越えた。
 明らかに動揺しているリリカたちは、お互い顔を見合わせてそそくさとその場を去った。
「あれ、俺なんかまずいこと云った?」
 本宮は薄笑いを浮かべたまま佑月を振り返る。
「……」
「あ、お礼はいいよ」
 無表情の佑月にそう云って、ニヤリと笑う。
「…なんの礼だ」
「えー、だって困ってたみたいじゃん」
「べつに。面倒くさいなと思っただけだ」
 佑月の言葉に、本宮は唇の端を引き上げた。
「云うねえ。さすがリリカの涙に屈しないだけはあるよ」
 佑月は、そんな本宮を無視して廊下を渡る。その後を本宮は追いかけた。
「なあ、あんたの好きな人ってどんな人?」
「はあ?」
「いや、俺にも聞く権利ないけどさ、すっげ気になるじゃん」
 佑月は露骨に嫌そうな顔をしてみせる。
「うわ、顔しかめても綺麗な奴は綺麗だなあ」
「……」
「すげえ美人がいるなと思ってたけど、近くで見るとあんたほんとに綺麗だな」
 覗き込むように佑月を見る。
 その瞬間、佑月は背中に電気が走ったような衝撃を感じた。
「毎日そんな顔見てたら、リリカに泣かれても動じないか」
「…近い」
 佑月はそう返すのがやっとだった。
 本宮のフェロモンなのか、そうではない別の何かなのかわからないが、それを無視できないでいるのだ。
「…好きな奴って女? 男?」
 本宮は興味津々に佑月に詰め寄る。
「あんたに関係ないだろ」
「そうでもない」
 本宮はふっと笑うと、佑月の耳元に囁いた。
「そんな奴より、俺と付き合えよ」
 そんな戯言が、佑月の心臓に突き刺さった。
「…は?」
 ややあって、ようやく佑月が反応した。


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