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枯れた薔薇_カバー1

恋する女騎士に、獅子の不意打ち

青井千寿 / 著
一越A区 / イラスト
ISBNコード 978-4-908757-86-0
本体価格 本体1,200円+税
発売日 2017/04/27
フェアリーキスピンク

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内容紹介

《『勝ったらお前は一日ドレス姿になれ』――賭けから始まる甘い求愛!》
とある事情から女を捨てて、騎士として生きていたイルマ。そんな彼女に賭けを申し込んだのは、ちょっと俺様な王弟殿下。彼は言った。「俺が勝ったらお前は一日ドレス姿になれ」その日から始まった王弟殿下の求愛。ドレスを着てのエスコートに、愛のこもった贈り物、そして甘い触れ合い――。イルマは幼いころから秘めていた彼への想いを揺さぶられるものの、なかなか素直になれない。けれどそんな彼女の全てを受け入れる彼の蜜愛に、心も身体も蕩かされていき……。そんな二人の愛は、やがて国をも揺るがす陰謀に巻き込まれ、大きな危機を迎えることに!? 激しくも甘いヒストリカルロマンス!

立ち読み

「なあ、髭、剃ってくれよ」
 腕から順に湯気の立つ布で体を拭きながら、バートが私に甘えてきた。
 髭面のバートが苦手な私は、これ見よがしに一つため息を吐き出したあとトレーの上に載せられていた剃刀を手に取った。髭など剃った経験はないが、小刀の扱いなら慣れている。
 バートは椅子に座ると、香油で頰を湿らせて顎を上に向けた。
 近くで見ると、バートの瞳は海のように揺らいでいる。
 理髪師によって丁寧に研ぎ上げられた剃刀を慎重に扱いながら、私は彼の頰に刃を当てる。
 私が指先を動かすごとに、髭の下から男らしい輪郭が現れた。
 静寂の中で刃が髭を刈り取る小さな音と剃刀を濯ぐ水音だけが、本に埋まった部屋に存在していた。突然やってきた静かな時間を私は心地よく思う。
 彼とは付き合いが長いので、言い争いをしている時も、こうやって静かな時間を共有している時も、一緒にいて寛げる。
「……ジャスミンと、蜂蜜の匂いがする」
 大人しく髭を剃られていたバートが、口元を動かさないようにぽつりと言った。
「そう? 香油の匂いじゃない?」
「いや、イルマから匂う」
「……私は何もつけていないけど……」
 彼の形のいい鼻が小さく動くのに誘われて、私も空気を吸い込んでみるが、そこにジャスミンや蜂蜜の華やかな香りなどは感じられない。
 バートの気のせいだろうと、私は再び左手で顎を押さえながら右手で剃刀を滑らせた。彼はまた鼻で空気を吸い込みながら、顔を私に預けて上を向く。
「イルマが……女だったらよかったのにって思うよ」
 顔を動かさないように静かに言ったバートに、私は苦笑した。
「女だ。残念ながら」
「女を捨てていない女って意味さ……お前とは子供の頃からお互いのいい部分も悪い部分も分かり合ってきた仲だろ。俺にとってイルマほど気の合う人間はいないんだ……お前が〝女〟になってくれたら……」
 バートはそこで言いよどみ、底の見えない緑の瞳で私をじっと見つめた。
 ――私が〝女〟だったら何が変わるの?
 私は声になりかけた言葉を呑み込んで、剃刀の動きに神経を集中させる。けれど私の心の蓋はカタカタと鳴っていた。
 私は流行のドレスが似合うリーゼロッテ嬢みたいにはなりようもない。それなのに〝もし〟と考えてしまうことは、今の自分を否定するようで怖かった。
「バート、私たちがこの歳になっても気の合う幼馴染でいられるのは、私が女を捨てているからだとは思わない? ……私がドレスを着て女らしくしていたら、きっと今のような距離感ではいられない……」
「……今の距離感が心地いいのは同意するが、もっと心地いい距離感の存在をお前は知らないじゃないか……男友達や幼馴染では経験できない距離感だ」
 挑むように私を見据えたエメラルドの瞳が揺らめいていた。彼の視線は重い心の蓋をこじ開け、私の隠し続けている想いを見つけ出そうとしているかのようだ。
 自分の頰が紅潮していくのを感じながら、私は視線をどこに向けたらいいのか分からなかった。
「なあ、イルマ……」
「……何?」
 精悍な顔が妖しく微笑んだあと、ぽつりと言った。
「……ドレス、着てみせてくれよ」
「はぁ!?」
「イッデ!」
 バートが突然吐いた言葉に、私は思わず手を滑らせた。剃刀が彼の頰を薄く切り裂き、鮮血が香油に濡れた頰に滲む。
 王族を臣下が傷つけるなどあってはならぬが、これは不可抗力だ。バートが悪い。
 私は十歳の頃に女を捨てると決めて以来、ドレスに袖を通していない。自分の性を否定はできないけれど、長年男同様に育てられ生活しているのだ。ドレス姿の自分を想像するのは、どこか戒めを犯す気分にさえなる。
 なのにこの旧友は〝女〟としての私を求めているのか!? なぜ? 
 私は男友達や幼馴染では経験できない距離感なんて、望んではいない。頭の中で感情と思考が混ざり合い、情けないほどに動揺してしまう自分がいた。
 そんな私に構わず、バートは勝手な言葉を続けた。
「俺は覚えてるよ。イルマは十歳まではなかなか可愛らしい娘だった。一度ぐらいドレスを着てみせてくれよ。お前にどこまで女を感じるのか試してみたい」
「あ、ウ、ウルサイ! 女を感じるとか……馬鹿か!」
「イッテェ!」
 頰を布で押さえながら一人納得して話すバートを、私は思いっきり拳で殴った。王族を臣下が傷つけるなどやはりあってはならぬが、これも不可抗力だ。
 さっきまで失恋して寝込んでいたくせに、ちょっと優しくしてやると図に乗り出した幼馴染に、私は怒りつつも恐れを感じていた。これ以上バートが女だとかドレスだとか言い出したら、心の奥底で干からびているはずの想いが蘇ってきそうで怖かったのだ。
 狼狽する心が私の声を荒らげる。
「バートは、バートは今の私を否定するつもり!? 私がどんな思いで毎日訓練をしていると……」
「ちょっ、剃刀持ったまま殴りかかるな! 違う、誤解するな! イルマが騎士として頑張っているのは認めている。だがお前が二十三歳の女性であるのは事実だろう。何も女であることを否定しなく……危なっ!」
 バートが言葉を切ったのは、剃刀を手から離した私がサーベルを抜いたからだ。ちょっと頰を切ったぐらいで懲りないのなら、もう少し傷つけて黙らせる他ないのかもしれない。
 この男には分かっていないのだ。私がどんな想いで騎士としての道を歩むことを決め、どんな想いで恋にうつつを抜かす幼馴染を見守ってきたかなど。
「バートは大馬鹿だ! 失恋したからとりあえず女っぽい者が欲しいだけなんだろう。図体ばかりがでかいその軟弱な精神を鍛えてやる!」
「聞けイルマ! 俺は今、婚約者を失って自由の身なんだ。このチャンスを逃したくない……って、おい! 王族に向かって刃を向けるな!」
 一度サーベルを抜いた私は、それを振り回さずにはいられない。バートは私の剣から逃れながらも、まだしつこく話を続ける。
「イルマ、冷静になって考えてみろ。俺たちはガキの頃から親友だろ。家柄だって釣り合う。また誰かに結婚相手を決められる前にだな、俺がお前にムラムラすれば問題はないわけ、だぁぁ! 殺す気か! 刃を向けるな!」
「お前が私に邪な感情を抱く時は、命がなくなる覚悟をしろ!」
 私はぴたりと剣先でバートの心臓に狙いを定める。力ずくでもとにかくこの奇妙な会話をやめさせたかった。
 それでも彼はまだ諦めなかった。
 バートは渋面でサーベルの先端を見ながら、事もあろうか交渉を持ちかけてきたのだ。
「イルマ、分かった。ではこうしよう。射的で三本勝負をして、俺が勝ったら褒賞としてお前は一日ドレス姿になれ」
「な? 何でそんな馬鹿な勝負をしなくちゃいけないの!」

◇◇◇◇◇


「お前が欲しい……頼む。これ以上焦らさないでくれ」
 そう懇願するバートの声は切なく甘い。
 逃げ出してしまいたいという欲求と、彼の願いに応えたいという葛藤が私の中でざわめき、息苦しい。
 しばらくの気まずい沈黙のあと、私は呼吸を詰まらせながらやっとの思いで声を吐き出す。
「……バートは勝者だ。頼むなんて口にせず……奪え……」
 精一杯強がった私の言葉に、バートはすぐさま反応した。
 寝台の上に抱え上げられ、私は彼の体重で動きを封じられる。胸を押さえている綿布はいとも簡単に剥ぎ取られ、役目を失った布切れは二つの体のあいだで行き場なく漂った。
 乳房にぬらりとした熱い舌を感じながら、私はズボンの前たてを開いていくバートの動きに息を殺す。
 逃げ出したい衝動を押さえつけ、上掛けを両手で握りしめると私は目を強く閉じた。
 全てを知った時に、バートの顔に浮かぶ驚愕も、落胆も、嫌悪も見たくはなかった。
 長靴が床に放り出されたあと、ズボンが足から下げられていく。
 最後まで私の皮膚を隠していたドロワーズも抜き取られ、私は皮膚が外気に晒されると共に圧しかかっていた体重が軽くなるのを感じた。
 逃げたい、逃げ出してバートの目の前から消えてしまいたい。
「……ぁ……」
 突然柔らかな感触を左太腿に感じて、私は思わず小さな声を上げる。
 目を開けて少し体を起こすと、醜い肌の上に唇を寄せているバートの姿があった。
 目にする光景が信じられず、私は夢でも見ているように爛れた肌に口づけをするバートの様子をぼんやりと見ていた。
 理解ができない。
 なぜ? なぜ彼はこんな醜怪なものに口をつけられるのか……。
「……感覚は? 触られている感覚はあるか?」
 私の戸惑いをよそに、バートはちゅっ、ちゅっ、と啄ばむように歪んだ皮膚に口づけを贈りつつ、上目遣いで尋ねた。
 彼の目を見て私はさらに混乱する。その澄んだエメラルドの瞳には驚愕も、落胆も、嫌悪もなかった。
 予想とは異なるバートの反応に動転しながらも、私はそれを隠し質問に答える。
「……皮が盛り上がっている部分は鈍感だけど……他の部分は普通に感覚がある」
「そうか。よかった……ではたっぷり口づけをしよう」
 バートは私の左足を持ち上げると、醜いそこをまるで蜂蜜のように舌でぺろりと舐めた。
 引き攣れを起こしている皮膚の上に赤い舌が滑っていくのをぼんやりと眺めながら、私は熱で飽和している脳で考える。
 なぜこの男はこんなにあっさりと、当たり前のように受け入れられるのだろう?
 ちょっとした傷痕や痣ではない。見れば衝撃を受けるのは間違いない、広範囲の火傷痕である。
 何年も見てきた私自身が受け入れがたい不快なものなのに、バートは今そこに数え切れないほどの口づけを落としているのだ。
 呆気にとられて彼の様子を見ていると、いつの間にか私の目頭に涙が溜まっていた。私はそれが零れ落ちてしまう前に、こっそりと手の甲で拭う。
 バートの柔らかな舌が捩れた肌の上を撫でるほどに、そこが滑らかになっていく錯覚を覚えた。
「バートは……驚かないの? この瘢痕を見て醜いと思わないの?」
 私が震える声で尋ねた質問は、いつもの優しい声で返された。
「ん……驚きはしないな。お前が八つの頃だろ? 半年ほど屋敷から出てこない時期があったのを覚えている。ずっとイルマの成長を見てきたんだ。あの時期に何かがお前の人生に悪戯をしたのは予想していた……これは火傷か? イルマがいつか打ち明けてくれるだろうと待っていたが、俺の辛抱が利かなくなったな」

◇◇◇◇◇

「バート、背中からどいてよ……きちんと顔を見たいのに」
「駄目だ。ついてくるなと言ったのについてきたお仕置きだ。しばらくそうしていろ」
 耳の後ろでそう囁きながら、バートは子供にそうするように私の頭を撫でた。
 そしてふと、落ちていた手拭いで私の両手首を括ってしまう。キュッと水を含んだ布が鳴り、私の背中に絞り上げられた雫が垂れ落ちた。
「こうして括ったぐらいでは、自由なお前を束縛などできないとは思うが……」
「私の心は……もうとっくにバートに縛られている」
「どうかな? いつだって不安だよ。イルマは言うことを聞かないからな」
 バートはくすりと小さく喉を鳴らして笑うと、拘束した私を大きな手で撫で回し始めた。背中で彼の視線を感じながら、私は羞恥で肌を焦がしていく。
 彼は私の腰を引き寄せると猫のように尻を持ち上げさせた。私の背に覆いかぶさるようになりながら、長い腕を伸ばし乳房を揉みしだく。先端の部分を指の腹で刺激されると、すぐにそこが硬くなっていくのが分かった。
 両乳首を一度に弄ばれ、私は呼吸を乱す。同時に下肢に甘い疼きが満ちていくのを感じていた。
「あ……っふ、ぁ……」
「腰上げて、足開けとけよ」
「あぁ! ……やっ、だめ」
 背後から伸びた腕は私の秘部へとやってきて、柔毛を撫でたあとその奥に隠された花芯を見つける。
 首の後ろを痛いほど吸われながら、その小さな肉芽を指先で捏ねられると無意識に腰が動いた。
「だめ? やめるか? こうされるの好きだと思ってたんだが……」
 バートは舌先で私の耳の後ろを舐りながら、意地悪く囁く。それに答えるように私は細い声を喉奥から漏らしながら左右に首を振った。
 ぬちゃぬちゃと途切れなく続く淫靡な水音と共に円を描くように花芯を指先で擦られると、抗いようもなく自分が雌になっていくのを感じた。
 バートが欲しくてたまらない。再び会えたという事実を全身に染み込ませたい。
「……あ、あ…んっ……そこ、だめ、感じすぎて……私、おかしく……」
「おかしくなれよ。俺の前に女を晒せ。ここに俺が欲しいのだと求めろ」
 彼の指は蜜に滑りながら動き、私の内側に入ってくる。敏感な芯の部分と蜜壷の奥を同時に嬲られ、私は腰を突き出しながら止まらない声を必死で押し殺していた。
 手全体を上下左右に振動させ、バートは容赦なく私を高みに導いていく。何度もピリピリとした疼痛にも似た快感が体を駆け抜け、そのたびに私は全身を痙攣させた。
「もう、も……あぁ、あ……」
「いつもより感じてるな。括られて嬲られるのが好みか?」
「ちが……あぁ……会えたから……やっと会えたから……」
「ああ、俺たちはひき合ったんだ。どうやら離れられないらしい……」
「あっ! ……ああぁ」
 すっかり膨れ上がった敏感な部分をグニグニと強めに刺激されるあいだ、自分の体が自分の意思でないところで動いていた。
 溜め込んだ快楽の熱が、沸騰して溢れ出る。
 私は猫のように背中を丸めたあと、今度は反対に弓なりに反らし、駆け抜けていく強い快感を体全体で受け止める。
 絶頂を迎えると体の奥から溜まった蜜が一気に溢れ出し、私の太腿を濡らしていった。
 体に力が入らなくて床に横たわりそうになったが、バートの逞しい腕がぐったりとする私を抱き寄せた。
「お前に挿れたくて気が狂いそうだ」
 パンでも食べるように私の耳を齧りながら、バートは熱く囁く。後ろ手に拘束していた手拭いを解き、彼は私を赤ん坊のように膝の上に抱いた。
「バート……バートだ。バート……」
 私は求めてやまなかった姿をやっと目の前に見て、思わずそう呟く。
 変装する必要があったのだろう。彼は行商人のような格好をしていた。
 さすが生まれながらの王族とでも言うべきか、清潔ではあるが黄ばみの取れないシャツと膝に継ぎの当たったズボンが全然似合っていない。エメラルド色の瞳と白金のような金髪、〝翠玉の獅子〟は顔つきが高貴すぎるのだ。
 しかしどんな格好をしていても彼はバートで、私が求めてやまない男だった。
 思わず両手で彼の頰を挟んで、精悍な顔をじっくりと眺めてしまう。そんな私を彼は可笑しそうに笑った。その笑顔が眩しくて、私は今更ながらドキドキと鼓動を鳴らす。
「俺に決まってるだろ。それとも俺以外に触られていたとでも?」
「まさか、バートの指がどう動くかは体が覚えている。それ以外は受け付けない」
「イルマのくせに可愛いこと言うと、孕ませるぞ」
「今更……」
 バートがいつだってそのつもりで抱いているのは感じていた。
 今まではそのことに戸惑いしかなかったのに、こうして一度離れて再び出会ってみると、もういっそ彼の子供を身ごもりたいとも思う。
 運命を操る神が私たちをどうしても引き離そうとするのなら、それができなくなるほどの強い絆を私は欲っしていた。
「……バート、私だって……欲しい……私はあなたの子を宿したい」
 私がそう絞り出すように懇願すると、目の前にある端整な顔が苦しそうに歪んだ。
 バートは荒々しく私の太腿を摑むと、膝の上で横抱きにしていた姿勢から跨らせる体勢に私を置き換える。
 座位で向かい合うと目の高さが同じになり、私たちはどちらともなく引き合うように口づけを交わした。この時を待っていた唇は互いを貪り、舌を絡め合う。
 唾液を乱暴にかき混ぜるような口づけで、私たちは劣情の業火に包まれていった。
 バートは両手で私の臀部を摑むと、軽く持ち上げ強く屹立した己の欲望に導く。すでに滴るほど濡れそぼっているそこは肉襞を左右に広げ、あてがわれた亀頭を包み込んだ。
 蜜口でくちゅくちゅと水音を鳴らし行き先を定めたあと、雄が私の中に侵攻してくる。
「あ……んんっ……深い……」
「まだだ。もっと……腰を下ろせ」
 私の腰を摑んで自分のほうに引き寄せながら、バートは擦り付けるように硬いそれで私の奥底を撫でる。下から深く貫かれたまま腰を揺さぶられ、私は我慢できない嬌声を口づけで塞いだ。
 脚も、腕も、舌も、互いの性器も、限界まで絡み合わせ私たちは一つになる。
 肉体を同じように動かしながら、二人で同じ階段を駆け上っていった。私もバートもあまりにも互いを求めていたので、慌ただしいほど性急だ。
「バート……だめ、気持ちいい……もうだめ……」
「ん、イルマの顔がとろとろだ。淫らな女……俺だけの前で咲く淫らな花だ」
 じゅぶじゅぶと私の奥まで穿ちながら、バートはさらに抽送の速度を上げる。夢中で彼にしがみつき、私は下肢から放たれる強い快感に全身を震わせ続けていた。
 一突きされるごとに頭の中が白くなっていく。動物の本能に身を任せ、私は自ら腰を上下に振りながら昇り詰める。

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