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あぶない御曹司がぐいぐい迫ってきます!?

橘 柚葉 / 著
春が野かおる / イラスト
ISBNコード 978-4-86669-016-2
サイズ 文庫
定価 713円(税込)
発売日 2017/08/04
レーベル チュールキス

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内容紹介

貴女のうなじにキスしていいのは、私だけだ
「貴女の項が世界一好きです」花屋で働く絹が出入りしているオフィスに、いつも項ばかりを褒めてくる男性がいた。紳士なイケメンなのに、口を開けばヘンタイ発言を繰り返す残念な彼は、なんとその会社の御曹司、美原だった!! 彼のふと見せる真面目な表情にときめいてしまう絹。「ああ、貴女の項に今すぐ吸い付きたい」連れ込まれた部屋で何度も首筋に舌を這わされ、執拗にキスマークを付けられる。身体中を熱い掌で愛撫されるたび、快感が全身を駆け巡って——。
★初回限定★
特別SSペーパー封入!!

人物紹介

朝倉 絹(あさくら きぬ)

フラワーショップの店長。29歳。

祖母に溺愛されており、知らぬ間に祖母の経営する着物学院のポスターのモデルにされていた。

美原雅人(よしはら まさと)

いつも絹の項を褒めてくる残念なイケメン。35歳。

美原システムの御曹司で、容姿もよく仕事もできることから社内では人気がある。

立ち読み

「ふぅ……ぁ……っん」
 先ほどのキスにも甘く酔ったが、今回のキスも甘すぎる。
 深くて激しい情熱的なキス。だけど、絹のことを気遣って、途中緩やかになったりと強弱をつけていく。
 ペロリと舌で唇を撫でられ、身体中が震えてしまった。
 ゆっくりと美原の唇が離れていくと、咄嗟に「止めないで」と言ってしまいそうになる。
「そんな物欲しそうな顔しないでください。理性が抑えきれなくなる」
 困ったように目尻を下げると、美原の唇は顎に、のど元に、鎖骨へと下へ下へと移動していく。
 辿り着いた先は、ツンと自身を主張している胸の頂だ。
 美原の指によって刺激を与えられた頂は、早く食べてほしいと強請っているようにも見える。
 美原の舌が頂に触れた。そしてなぶるようにグルリとなめ回す。
「ああッ……んん!」
 ビリビリと甘く痺れる感覚は身体中に広がっていく。特に下腹部からはトロリと濃厚な何かが零れ落ちていくように感じた。
 だが、甘い刺激はそれで終わりではない。
 美原は片方の胸は唇と舌で愛撫し、もう片方の胸は手で包み込んで、指で頂を弾く。
「絹はどちらが好きですか?」
「ど、どちらって……? え?」
 吐息を漏らしながら美原を見る。すると、舌で頂を捏ねくり回している美原と目が合った。
 恥ずかしくて視線を逸らしたいのに、逸らすことができない。
 そんな絹に、美原はとんでもないことを言い出す。
「どちらも可愛がってあげたいから、手と舌、好きな方を選んでください」
「なっ!」
 言葉をなくしてパクパクと口を開いていると、美原はフフッと意味深に笑った。
「どちらも気持ちが良すぎて選べませんか?」
「っ!」
 美原は基本丁寧な口調だ。優しげで柔らかな物腰の彼は好青年だと言っても過言ではない。
 だけど、絹に対してだけは、ちょっぴり意地悪だと思う。
 戸惑って恥ずかしがる絹が見たいのだろうけど、絹にしてみたら勘弁してもらいたい。
 抗議をしようとしたのだが、美原の方が先に動き出す。
「そうですか。どちらも好き。でも、もっと違う刺激もほしい……と」
 誰もそんなこと言っていません! と叫ぶ絹だが、その声はすぐに甘いモノへと変化してしまった。
 美原の手が茂みに入り込み、すでに零れ落ちた蜜でグチャグチャになっている秘芽を指で軽く引っ掻いたからだ。
「あああっ!!」
 背をしならせて軽く達してしまった。そのことが信じられなくて、ただ目を丸くしてしまう。
「絹、可愛い。これだけでイッてしまいましたか?」
「!」
 その通りだ。だが、正直に「はい」と返事をするほど素直ではない。
 ただ、目を泳がせて答えを引き延ばす。
 絹本人としては隠しているつもりだが、美原にはバレバレだろう。
 ほら、と美原はどこか意地悪な様子で囁いた。
「もっと気持ちよくなってください」
「えっと、その……言いづらいことなんですが」
 一つになる前に美原には言っておかなければならないことがある。
 少しだけ不安を抱きながら、絹は意を決して小声で呟いた。
「……久しぶりなんです」
「え?」
「い、い、所謂……セカンドバージン? っていうヤツでして」
 絹の恋愛遍歴は語るほどではない。ほとんど真っ白だと言っても言い過ぎではないほどだ。
 大学生のときに付き合った男性が一人いたが、その人と一回だけエッチをしただけで、そのあとはしていない。一回エッチをしただけで別れてしまったのだ。
 はっきり言って恋愛に免疫もなければ、セックスにいたっては限りなくバージンに近いと思う。
 そのことを包み隠さず美原に伝えたが、絹は不安でいっぱいだった。
 美原は経験豊富だろう。それなのに、ほとんどバージンに近い女とエッチをしたいだろうか。
 テクニックとか、その他色々できないことがたっぷりあるだろう。
 面倒くさいなどと思われないだろうか。ドキドキしながら美原の次の言葉を待っていたのだが、なかなか返ってこない。
「美原さん?」
「それは本当ですか?」
「えっと……残念ながら本当です」
 呆然としている美原を見て、ますます不安が過ぎっていく。
 やっぱり面倒くさいと思ってしまっただろうか。この恋はこれで終わりになってしまうかもしれない。
 ズキンと胸の痛みを感じていると、美原はギュッと絹を抱きしめてきた。
「嬉しい……」
「え?」
「嬉しいと言ったんです。本音を言えば初めてをもらいたかったですけどね。では、こうしましょう。今からが絹のロストバージンということで」
「え? え?」
 戸惑って目をパチパチと瞬きする絹を見て、美原は恍惚とした表情を浮かべている。
「心配しなくて大丈夫ですよ。優しく丁寧に愛しますから」
「えっと、その……引きませんでした?」
「どうしてですか? 引く要素なんてあります? 絹のバージンを奪った男に嫉妬することはあっても引くなんてありえません。嬉しくてますます理性が崩されそうです」
 良かった。美原は経験が少ない絹に対し、引くことはないようだ。
 絹がホッと胸を撫で下ろしていると、美原の指は再び秘芽を弄りだした。
「とにかく今は私だけを感じてください。何も考えなくていい……ただ、私に愛されてください」
 真摯な瞳で言い切る美原に、絹は小さく、だけど覚悟を持って頷いた。
 すると美原は、絹の膝裏を持ち上げ、そのまま大きく広げた。
「っやぁ……は、恥ずかしい」

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