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薔薇と牙 〜イノチ短シ恋セヨ乙女〜

花衣沙久羅 / 著
氷堂れん / イラスト
ISBNコード 978-4864570442
サイズ 文庫本
ページ数 302ページ
定価 660円(税込)
発売日 2013/11/18
レーベル ロイヤルキス
発売 ジュリアンパブリッシング

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内容紹介

満月の夜、皇牙谷中學院の生徒総代である九条男爵は、記憶を失った少女に出会う。近隣の女學校の生徒のようだが、彼女は記憶がないにもかかわらず中學院に忍び込むような大胆な行動を取り、九条男爵は困惑を隠せない。一方、九条男爵にも人に知られてはならない秘密があった……異形の種族ルー・ガルーとリリス。絶滅の危機を迎える二種族のため、九条男爵は種族回復の命運をとある秘策に賭けて……!?

人物紹介

有森かほる子

東京野薔薇女学院の生徒。
妄想が得意でドジな<リリス>。
過去にまつわる記憶がない。

九条脩季

皇牙谷中学院の生徒総代にして<ルー・ガルー>の青年。
公爵の嫡男ゆえに男爵の称号をもつ。

立ち読み

弾力の有る舌先で乳輪をなぞられ、強弱をつけた遣り方で何度も何度も、弄ぶかの様に嬲られていると、かほる子の声は止まらなくなります。
 誰かに聞かれたらとんでも無い事になりそうな、あられも無い喘ぎ声です。
 リリスの耳には自分の声も大きく聞こえます。恥ずかしくて止めたいと思うのですが、脩季さまに触れられて仕舞うと、如何しても声が洩れ出て仕舞うのです。
 けれど脩季さまはかほる子のそんな声を気に入って下さったのか、更に愛撫の御手を進めます。ざらついた指先でもう一方の乳首を蹂躙し、飽く事無く、リズミカルな刺激をもたらしてくるのです。
 かほる子の躰はじんわりと汗ばみ、全身が小さく戦慄き始めていました。
 自分の白い胸の上に対照的な青みがかった黒髪が懸かり、さらさらと肌を撫でてゆくのを此程心地好いと感じる日が来るなど、如何して知る事が出来たでしょう?
 けれども、かほる子は自分が最初から其れを知っていた気がいたしました。
 脩季さまに出逢った時から、斯うなる事を予感していた様な、不思議な心地がするのです。
 女子(をなご)という生き物なら、誰もが皆、此の不思議な予知をしているのでしょうか。
 かほる子は女子と謂うよりはリリスですが、其のリリスも、今宵ばかりは女子————脩季さまの貴婦人(をんな)、などと思い上がって仕舞っても良いでしょうか…。
「ゆ、脩季さま」
 一度だけ、其れも途中までしか経験は有りませんでしたが、かほる子の躰は脩季さまの熟練の遣り方を憶えておりました。
 心の奥深い悩みは置いて、今は肉体を合わせる事だけに集中しようと覚悟もして居ます。
 其れでも、恥ずかしいという想いは、容易には拭い去れませんでした。
 張り詰めた乳房を片手で掬い取る様に支えられ、其の中心でぷくんと勃ち上がった乳首を、念入(じつく)りと舐られるのです。
 脩季さまの躰の下で、かほる子は口唇を噛み締めました。
 先程から、何処も彼処も感じ過ぎていて、自分でも自分の躰を如何にも出来なくなる感じがして、戸惑いを覚えずにいられません。
「かほる子」
 脩季さまが再び顔を上げ、かほる子に接吻をしてきます。
 かほる子の口唇は此処へ辿り着く前から、既に脩季さまのものですが、こんな風に開かされてする接吻は、余り覚えの無いものでした。
 温かく濡れた舌がかほる子の舌に絡み、かほる子を淫らに誘惑します。
「かほる子」
 口の中に溜息を洩らすかの様にして、再び低く名を囁かれます。
 此の呼び方を、かほる子は何程愛おしく感じて仕舞った事でしょう?
 こんな風に間近で名を呼ばれて仕舞うと、かほる子の躰はもっと如何しようもなくなり、脩季さまにくっつきたくて堪らなくなって仕舞います。
 脩季さまはそうして口づけ乍ら、かほる子の大腿の横に御膝を入れ、ご自分の躰がかほる子の脚の間に割り入ってゆける様にしようとなさいます。
「あ」
 かほる子は微かに戸惑いましたが、熱い舌で歯列をなぞられ、優しい仕種で大腿を圧されると、両脚は観音扉の様に自然に開いて仕舞いました。
 脩季さまが接吻をしたまま微笑むのが、かほる子にも伝わります。
 脩季さまはかほる子の頭を撫でて謂いました。
「いい子だ」
 いい子。
 そう褒められただけで、かほる子の陰部はジュッと音がしたかと思える程に濡れます。
 トロ…と躰の奥で熱く溢れるものを感じて、かほる子は真っ赤になりました。
 でも、此まで誰もこんな風に頭を撫でて、かほる子を褒めてくれたりはしなかったのです。
 物心ついた時から、かほる子は大きなお屋敷でお祖母さまと二人きり。
 お祖母さまは勿論、お優しい時も有りましたが、基本的には大変厳しい御方でした。
 考えてみれば、こんな風に男の方の前で肌を晒したりして、お祖母さまに知れたら大変な事です。
 而も、お相手は人でもリリスでもなく、リリスの天敵・人狼(ルー・ガルー)なのです…!
「あッ!」
 かほる子は鋭く呻きました。
 かほる子が濡れたのを確かめる様に、脩季さまがかほる子の脚の間に御指を滑らせてきたからです。
 一体如何して分って仕舞ったのでしょう?
 脩季さまにはかほる子の事は総て、知られている様です。
「はふ、ふぁ…」
 そうして彼処に触れられた瞬間、自分の股座がぬらぬらしている事を脩季さまに知られたと分り、かほる子は真っ赤になりました。
 けれども、脩季さまの方はと謂えば、僅(すこし)も表情を変えぬままです。
 かほる子はそうして脩季さまに自分が喘ぐ様を視られている事が、恥ずかしくて仕方が有りません。


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