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王の寵愛と偽りの花嫁

火崎 勇 / 著
Ciel / イラスト
ISBNコード 978-4-86457-074-9
サイズ 文庫本
定価 631円(税込)
発売日 2014/07/23
レーベル ロイヤルキス
発売 ジュリアンパブリッシング

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内容紹介

政略結婚に反発するように、城を飛び出したローウェルの王女メルア。悲しみの中、身分を隠して街へ向かうが、彼女を捕らえたのは、ローウェルと権力争いの最中にあるエステアの国王エルロンドだった。豪華絢爛なエステアの宮殿に迎えられたメルアは、若き傲慢な王エルロンドの命で、王妃の振りをすることに!? しかも、まだ恋も知らない無垢なメルアの純潔は強引に散らされてしまう。熱く触れる指先に身も心も翻弄されるメルア。王女メルアと国王エルロンドに待ち受ける運命は――!?

人物紹介

メルア

ローウェルの末姫。
結婚が嫌で城を飛び出したが、隣国の王妃になる!?

エルロンド

エステアの国王。
若くして王の座に就いた。

立ち読み

「あ…。や…」
 包み、捧げ持ち、先を弄り、優しく揉む。
 自分の見ていない場所で、彼の見えない場所で、私の胸が彼に触れられている。
「…っ、ん…」
 感覚だけがその行為を伝える。
「エル…ロンド…。いや…」
「何が?」
「そんなに…、そこばかり…」
「私に触れられることを拒否しないんだな? では遠慮せずにしよう」
 両手で肩を押さえられ、夜着の肩を落とされる。
「あ」
 簡単に布は消え、剥き出しの上半身が現れる。
 慌てて両手で胸を隠したが、それを許しながらも手から零れた場所に彼のキスが降る。
「や…」
 くすぐったいような、甘い感覚から逃れるように身体を捩って彼に背を向ける。
 エルロンドの手は、背後から私の手を剥ぎ取った。
「アレーナ」
 肩を咬まれ、名を呼ばれる。
 それは私の名前ではないけれど、彼が『私』の名前を呼んでいるのは伝わり、心が震える。
「ただお前に私を刻み付けたかっただけの先日とは違う」
 露な胸を隠そうとする私と、それを止める彼。
「だから抵抗するな。私に任せるんだ」
 私は、その言葉に負け、手から力を抜いた。
 エルロンドが気づいて捉えていた手を放す。
「こちらからは見えないから、安心しろ」
 と言いながら、胸に触れる。
 この人は嘘つきだわ。
 私より大きな彼は、視点が高い。上から覗き込めば、全て見えているだろう。
 大きな手が、私の乳房を揉むのを。
 長い指が、乳首を弄るのを。
 まるで内側から湧き出す感覚が胸の中で膨らんでいるように、乳房が張る。
「あ…。だめ…っ」
 身体の芯で、何かがじわっと染み出てくるような気がした。
 染み出したものは、私の肉体の隅々にまで広がってゆき、感覚を融かしてゆく。
「だめ…っ」
 彼が摘まんでいる私の胸の先には特に、その感覚が集まっていた。
 力で奪われたあの夜も、これは感じた。
 快感。
 そう呼ぶべきものだ。
 けれどあの時は執拗に攻められ、無理に引き出されたものだった。自分ではそれを『気持ちいい』とは認めたくなかった。
 でも今は違う。
 溢れ出てくるものが止められない。
 その感覚に、溺れてゆく。
「ああ…ん…っ」
 堪らなくなって、私はそのまま背後の彼に寄りかかった。起き上がっていられなくなって、そこへ倒れ込んだのだ。
 力が抜け、彼の手に翻弄される。
 もはや、私の胸は彼の玩具だった。
 好きなだけいじられ、遊ばれている。
 呼吸が熱っぽくなり、喘ぎとなる。
「綺麗だ、アレーナ」
 彼のキスが耳に与えられる。
 耳の裏にも、首筋にも、肩にも、与えられる。
 口づけられた場所から花が開くように、快感が生まれる。
 エルロンドは、そっと私を横たえた。
 たくさんの枕を積み重ねた上に、宝石を置くようにそっと。
 それから抵抗する力を失った私の胸にも、キスを与えた。
「あ…っ!」
 舌が、胸の先を転がす。
 唇が触れなかった方は指がまだ弄んでいる。
「いや…。いや…」
「もう止まらないぞ。お前は私を受け入れたのだ」
「あなたが…、嫌なのじゃないわ…」
「では何だ?」
「これが…。この感覚が…」
「感じてしまうのが嫌なのか?」
 口に出されて顔が熱くなる。
「当たったようだな。だがそれはそのままでいい」
「でも…」
「もっと蕩けて、ここが濡れなくては」
 彼の指が、お腹からお臍を通ってその下へ向かう。
「だめっ!」
 柔毛を弄び、その奥へ。
「もう、少し濡れてるな」
 彼の言葉に恥ずかしさが募る。
「肉が柔らかく濡れている」
「言わないで…」
「女はここがいいそうだ」
 指は濡れた場所ではなくもっと上を探った。
 分け入って、肉を剥き、敏感な部分に触れる。
「……ひっ」
 その瞬間、感じたことのない衝撃が走り抜けた。
「や…、何…っ?」
 指がそこに留まり、グリグリと押す。
 強い力ではないのに、痛むように痺れてくる。
 いじられ続けると、身体の内側から露が溢れてくるのがわかった。
「やあ…っ。だめ…っ、そこは…」
 身悶える私の目の前で、彼が笑った。


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