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異世界で恋をしましたが、相手は竜人で、しかも思い人がいるようです

月神サキ / 著
ウエハラ蜂 / イラスト
ISBNコード 978-4-86669-212-8
本体価格 本体1,200円+税
発売日 2019/06/27
ジャンル フェアリーキスピンク

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内容紹介

こんなに可愛いあなたを、絶対に逃しませんよ?
その失恋に、待った! がかかる!?
番を追い求めて離さない一途な男の甘やかな執着愛。
気がつくと夢で見ていたのとそっくりな世界にいたアマネ。竜人が住むその国で、夢で見た通りの美しい宰相のウェルベックに保護されることに。アマネを甘やかし過保護に世話を焼きたがる彼に、次第に心惹かれていく。しかし彼には待ち焦がれている思い人がいるらしい!? この恋は諦めるしかない? 猛アタックするアマネだったが……。生涯一人の女性に愛を捧げ、執着するのが竜人。長い時間を一途に思い続けて絶対逃がさない、誠実な男の甘すぎる溺愛!
「あなたへの愛にすっかり囚われておかしくなっているんですよ。責任、取って下さいね

立ち読み

  至近距離にあった彼の顔が近づき、唇に熱が触れた。
 二度目の口づけ。一度目とは違い、今度は十分に逃げる時間があったが、私は逃げなかった。逃げたくなかったし、そうすることで私の気持ちを察して欲しいというずるい考えもあった。
「んっ……」
 私が抵抗しないことに気づいたのか、ウェルベックが小さく微笑み、再度唇を押しつけてきた。
 甘い触れ合いに頭の中がぼうっとする。
 ウェルベックはそれから何度も角度を変え、私の唇を吸い続けた。次第に呼吸が苦しくなってくる。
「ウェルベック……その……そろそろ……んっ」
 いい加減離して欲しい。そう訴えようとしたが、口を開いた瞬間、彼の舌が口内に潜り込んできた。突然の出来事に固まる。
「んっ……んんっ」
 ウェルベックの舌がまるで生き物のように口内を蠢く。ねっとりとした動きで歯列をなぞり、頰の裏側を擦った。湧き上がる愉悦に背中がぞくぞくとし、生理的な涙が零れる。
「んんんっ……んんっ」
 彼の舌が口内全部を這い回る。
 肉の薄い上顎を擦られるのがくすぐったくて堪らない。だけどそれはすぐに快感へ変わっていった。
「ふわっ……んっ……」
 歯の一本、一本まで丁寧に舌がなぞっていく。
 喉の奥で震えていた私の舌に、ウェルベックの舌が巻き付いた。先端をちょろちょろと刺激され、どうしようもなく頭がクラクラする。
「姫、姫も私に応えて下さい……」
「こ、応えるってどうやって……あっ」
 こんなキスを許している時点で、応えるもなにもないのではないか。そう思ったが、ウェルベックは言った。
「あなたが私を思って下さっているのは分かりました。本当は言葉が欲しいのですけど、どうも今のあなたには難しいみたいに見えますしね。今は諦めます。その代わり、あなたの気持ちを行動で示して欲しいのです。私のキスに応えて? 同じように舌を絡めて下さい」
 言うと同時にまた唇が塞がれた。今度は最初から舌をねじ込む深いキス。宣言通り、ウェルベックの舌が私の舌をちょんと突く。
 これは、彼に応えろと、そういうことだろう。
 ――もう、どうにでもなれ。
 勇気を出して、舌を出す。あっという間に、彼の舌に巻き付かれてしまった。
 それでも一生懸命に彼のキスに応え、縋るように彼の背中に両手を回すと、彼の片手が、もぞもぞと怪しげな動きをし始めた。
 ――ちょ、ちょっと?
 服の上からではあるが、彼の手は間違いなく私の胸に触れている。
 決して、決して気のせいなどではない。
 乳房の形を確かめるように手が這っている。少し力を込めて胸を揉まれ、私は唇を塞がれたまま、ビクリと身体を震わせた。
「ああ……なんと可愛らしい」
「ウェ、ウェルベック……ちょっと……あんっ」
 ようやく唇が放され、私は涙目で彼を睨み付けた。だが、彼の手の動きは止まらないどころか、より淫らなものになっていく。
「む、胸……あっ、やっ、揉まないで……」
「どうしてですか? キスに応えてくれたということは、あなたも私を愛してくれているのでしょう? 愛し合う二人が触れ合うのは当然のことだと思いますが」
 それはそうかもしれないが、まさかこんなところで淫らな行為を仕掛けてくるとは思わなかったのだ。身体を捩って逃げようとする私の行動をウェルベックはあっさりと封じてくる。
「逃げないで下さい」
「逃げるって……ん」
「胸、大きいですよね。顔は可愛らしいのに、そのギャップが堪らないとずっと思っていました。ああ、ようやくあなたに触れられる」
「あっ……あ、ちょっと、駄目っ」
 ウェルベックが、胸元のホックを外し、服を脱がそうとしてくる。
 誰もいないとはいえ、昼間から盛り始めたウェルベックに私は泣きそうになった。
 ウェルベックがびっくりするほど器用な動きで私の服をはぎ取っていく。あっという間に上半身を剝かれてしまった。胸を覆っている下着も強引に上にずらされる。
 裸の胸が露わになり、私は本気で焦った。慌てて手で胸を隠す。
「ウェルベック、こ、これ以上は駄目よ。じょ、冗談では済まなくなるわ」
「冗談なんて。私はいつでも本気ですよ」
 ギラギラとした目を向けられ、悲鳴が零れた。
 ウェルベックの欲に直接当てられ、怖くなる。
 ――こ、これ、本気でまずいやつ。
 このままでは間違いなく、興奮しきった彼に抱かれてしまう。
 ウェルベックが好きだから、彼が相手だというのは構わないけれど、大事な初めての時を、昼日中の、しかもソファでだなんて、そんなのは絶対に嫌だ。もう少しくらい考慮して欲しい。
「ウェ、ウェルベック。落ち着いて」
「こんな可愛らしいあなたを見て落ち着けだなど、酷いことをおっしゃる。無理です」
「む、無理って……あっ」
 必死で胸を隠していたが、あっさりと片手で両手を掴まれ、彼の目の前に晒すことになってしまった。
 ぷるんとした重量のある乳房が彼の前に姿を見せる。
「や……」
「綺麗だ。この、上を向いたピンク色の茱萸が可愛らしいですね」
「あ、だめっ……んっ」
 つん、と乳首を指で押さえられ、甘い声が出た。
「柔らかい。でも、だんだんと硬くなってきましたよ」
「やっ……それは、ウェルベックが触るから……やあんっ」
 クリクリと乳首を捏ね回され、声が出た。好きな人に胸を見られているだけでも恥ずかしいのに、一番敏感な部分を弄られ、誘うような声を出す自分が信じられない。
「先、今度はとんがってきましたね。まるで吸ってくれと言っているようだ」
「な、何言って……ひゃあっ……」
 ウェルベックが指で硬くした乳首を口に含んだ。熱い口内の感触に驚き、声が出る。
「ひっ……ひぁっ」
 強い力で乳首を吸われ、身体の芯がきゅんっと疼いた気がした。ウェルベックはまるで子供のように乳首を何度も吸い、いつの間にか放していたもう片方の手で身体の線をなぞり始めた。彼の手が私の素肌に触れ、艶めかしい動きをする度に、お腹の中がじゅんっと疼く。
「ひう……あっ……やあっ……」
 時折ぺろぺろと乳輪を舐められる。それもまた別の快感になった。無意識に身体をくねらせる私を、ウェルベックが愛おしそうな目で見てくる。
「身体が熱い。あなたもずいぶんと興奮してくれているのですね。嬉しいです」
「こ、興奮なんて……」
 していない、とはっきり言えればよかったのだが、身体の反応が全てを語っているだろうことは分かりきっていたので、それ以上は口にしなかった。
 乳房を掌全体で掴まれる。熱い手の感触が伝わってきた。ウェルベックが舌を出し、今度は丹念に先端を舐め始める。
「ひあっ、やっ……あっ……」
「良い反応をしてくれますね。こちらも楽しくなってきます」
「も……馬鹿……やめ……ひっ」
 乳房を掴んでいた手が、今度は足を撫でさすり始めた。スリットの部分から手を差し入れ、素肌に触れてくる。その手は確実に上を目指していた。
 明確な意図を感じ、私は必死でウェルベックの胸を押した。
「やっ……それは……!」
「あなたの全部を見たいんです。……いいですよね?」
「ひっ……!」
 ウェルベックの手が足の付け根に触れる。下着越しに蜜口に触れられ、身体が震えた。
「あっ……駄目……」
「そんなこと言わないで……」
「んんんっ」
 拒絶の言葉を聞きたくないとばかりに唇を塞がれる。彼の指が蜜口の形を確かめるように動く。下着越しでもはっきりとウェルベックの指を感じてしまい、あられもない声が上がる。
「ひゃあっ……あああっ……んんっ」
 舌を絡める濃厚なキスをしながら、蜜口を弄られている現状に頭が混乱する。どうしてこんなことになっているのだろう。
 ウェルベックが自らの唾液を流し込んでくる。それを飲み込むと、彼は嬉しそうに目を細めた。
「姫。愛しています……」
「あっ……」
 ウェルベックの指が下着の中に侵入してくる。さすがにこれ以上は止めさせなければ。
 焦っていると、トントンと扉からノック音が聞こえてきた。
「宰相様? こちらにいらっしゃると聞いてお迎えにまいりました。そろそろ戻っていただきませんと、仕事が……」
「……ちっ」
「あ……」
 あからさまな舌打ちをし、ウェルベックは私の身体を離した。そうして立ち上がると、扉に向かって話しかける。
「分かりました。すぐに行きますのであなたは執務室で待っていて下さい」
「いえ、ここでお待ちしておりますが――」
「戻って下さい。分かりましたね?」
「は……はいっ」
 威圧を帯びた声に恐縮したのか、迎えに来た人物は慌ててそこから離れて行った。
 ウェルベックは息を吐き、私を見下ろす。
 上半身をはだけられ、スカートもまくり上げられている情けない姿を見られているのが恥ずかしくて急いで身体を隠すと、彼は申し訳なさそうな声で言った。
「すみません、姫。どうやら時間切れのようです……」
「そ、そう……」
 時間切れ。その言葉に心底ホッとする。思いが叶った嬉しさのあまり、勢いで大変なことをしてしまった。
 誰かは分からないが、声を掛けてくれて助かった。そう心から思いながら服装の乱れを直す。ウェルベックも無言で手伝ってくれた。
 うん、なかなかに恥ずかしい。
 身なりを整え、ソファに座り直す。私の隣に腰を下ろしたウェルベックが言った。
「姫」
「へ? な、何?」
 素っ頓狂な声が上がる。彼は私を愛しげな目で見つめてきた。
「これで私と姫は婚約者というだけでなく、恋人同士と思っていいんですよね?」
「え、そ、そう……なのかしら……」
「姫」
「そ、そうね!」
 かなり際どいところまで許してしまったが、そういえばはっきり回答はしていない。だから即答ができなかったのだが、ウェルベックは許してくれなかった。
 恐ろしく低い声で呼ばれ、反射的に頷いてしまう。
 ――怖い。ウェルベック、めちゃくちゃ怖い。
 コクコクと何度も首を縦に振ると、ウェルベックはようやく機嫌を直してくれた。そうして手を伸ばし、私の顎を掴み、じっと目を覗き込んでくる。
「良かった。それならいいのです。――姫。私はこれから執務室に戻りますが……その、もう少し姫と話がしたいのです。よろしければ、仕事が終わった後、私の屋敷にいらっしゃいませんか?」
「え?」
「恋人になったのです。正式に婚約も交わしているわけですし、問題はありませんよね。その……今夜は泊まっていって下さい」
「!!」
 先ほどまで自分がウェルベックにされていたことを思い出せば、彼の言う『泊まり』がどういう意味を持つのか分からないはずはない。
 頰が熱を持つ。私は慌てて言った。
「ウェ、ウェルベック! さっきも思ったんだけど、私たちにはちょっと早いんじゃないかしら?」
 彼に抱かれることは吝かではないが、さすがに急展開すぎる。
 もう少し時間と段階を踏んで欲しいという気持ちを込めてウェルベックを見つめ返すと、彼はとても悲しそうな顔をした。
「姫様。私は話をしたいと言っただけですよ。もちろん、話が済めばお帰りになっていただいても構いません。それを、早すぎると言われても困るのですが……」
「えっ!?」
 てっきり、抱かれる流れだったとばかり思っていたのだが違ったのだろうか。
 単に話をする。それだけ、なら。
 ――私も、彼ともう少し話したいわ。
 ソラリスとしての記憶を取り戻してから、ある意味ようやくまともに話せたのが今日なのだ。
 それまではできるだけ彼と会話をしないように心掛けていた。色々あり、彼を受け入れたくないという気持ちがあったからなのだが、解消した今となれば意見も変わる。
 彼と離れていた時のことも聞いてみたいし、その……これからのことだって話し合いたい。ただ、夜に訪ねるというのはどうかと思うのだが――。
「……」
 視線を逸らした私に、ウェルベックが残念そうな声で言う。
「私も宰相として忙しい身の上です。夜しか時間を取れないのは本当に申し訳ないのですが」
 ――そっか。そりゃそうよね。
 その言葉で決意した。
 彼の宰相という立場を考えれば、空けられる時間は夜しかない。それは当たり前だし、だいたい、天音として彼の側にいた時は、ずっと彼と同じ空間にいたのだから、それと変わらないはずだ。
「……分かったわ。夜、あなたを訪ねることにする」
「それなら仕事が終わった後、この部屋まで姫様を迎えに行きます。構いませんか?」
「ええ」
 頷くと、ウェルベックは嬉しそうに微笑んだ。
「これで仕事を頑張ろうという気持ちになれました。姫様に会えるのを楽しみにしています」
「っ」
 掴んでいた顎をクイッと上に向けられる。唇に感じるのは熱。
 触れるだけの口づけをし、ウェルベックは立ち上がった。
「それでは姫様、また後で」
「〜〜〜〜!」
 真っ赤になっている私をその場に残し、ウェルベックは颯爽と立ち去った。
「……ずるい」
 唇を己の指で押さえる。
 なんか、色々されてしまった。そのことを責めようとは思わないまでも、少しくらいは文句を言ってやろうと思っていたのに、あんなに格好いいことをされてしまっては何も言えなくなるではないか。
「ウェルベック……格好いい」
 あの素敵な人に愛されているのだという実感がじわじわと湧いてくる。
 私が私として戻ってきてからしばらく経ったが、ようやく素直に喜べるようになった気がした。
「……嬉しい、な」
 願った人に愛される幸運を嚙みしめ、私は赤みが引かない頰を両手で強く押さえた。


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